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第2話

手を握ったお陰か、恐怖心は和らぎ最初と比べれば精神も落ち着いてきた。

そのせいで、全神経が手に集まる。

あなた 《……手汗大丈夫かな》

とっさにカンタくんの人差し指を握ったため、私の上に手が重なっていた。

迷惑ではなかったか、気持ち悪くなかったか、相手が気分を害していないか不安になりながらも、ずっと手を握っていたいという気持ちもあった。

あなた 《…手離した方がいいかな》

そんなことを考えるも、一つの行動を起こすのにとても緊張してしまいピクリとも動けない。
周りは静かで自分の心臓が両耳にあるみたいだ。


あなた 《…目かゆい。》

我慢できず、握っている反対の手で目をかいた。

すると、


カンタ 「大丈夫?」




カンタくんの声が近づく。





あなた 「あっ…、あの、え、」


突然のことで言葉がでない




カンタ 「怖かったらもっと近寄っていいから。そう言う意味じゃなくて、ほんとに。」


暗闇で隠されたカンタくんの顔が近づくのと同時にはっきりと見えた。


動画で見たことある顔。
でも、きっと動画では見せたことない顔だ。
彼はとても真剣だった。ここにしかいない彼の顔だった。

顔が熱い。


知らぬ間に自分の心臓の音は聞こえなくなっていた。



カンタ 「、、、、あれ?泣いてない…?」




あなた 「?…あ……目、痒くて…」




彼は安心したかのように肩を下ろした。

カンタ 「…よかった……。僕だと不安だろうなって思ってたから、、」


カンタくんの表情が和らぐ。

あなた 《目、かいたからか…。》



あなた 「手、握ってくれてたので、大丈夫です。」



カンタ 「とっさに握り返しちゃったからきもいかなって思ってたから尚良かった……。」



あなた 「私もいきなり手握ってもいいとか言っちゃって、きもいかなって思ってました…」


カンタ 「同じこと考えてんじゃん」


あなた 「だね。」



カンタ 「、、、おれ今日友達と約束してたのに、心配してるかも」


あなた 「……私も。」


カンタ 「…にしてもびっくりしたなぁ」


あなた 「エレベーターの中は本当に心臓に悪い…。」


会話に花が咲く。心の距離が縮まる。
ほんの数分の間。ずっと続けばいいそう思うことすら出来なかった。夢の中のようで現実味がない暗闇の中。彼の顔ははっきり見えていて、目を見てお互い笑う。

体が熱い。感覚でわかった。心地がいい。
心臓よりも暑い手はお互い握ったまま。





パチン

あなた カンタ 「まぶし!!」



電気がついた。
いい夢の続きだったのにお母さんに起こされた気分。
スローモーションだった世界が、突然通常のスピードで容赦なく流れる。


カンタ 「エレベーター動くかも。」


さっと立ち上がりそう言った。
それと同時に手が離れる。ひんやりとした空気が手に触れる。



がこん



カンタくんが予想した数秒後にエレベーターが動いた。



そして近くの階に止まる。


ウィーン



目の前の扉が開いた。


開いたドアの向こうが思ったより普通の景色に頭が追いつかない。

エレベーターを待っていたかのような人たちが私たちをじっと見つめる。


あなた カンタ 「あっ。で、でます。」


悪いことをしたかのように背中を丸めて外に出る。




カンタ 「…じゃあ、ここらへんで…」

あなた 「うん!」


全てが突然すぎた。
本当に今まであったことは現実のことだったのだろうか。体がまだふわふわしている、誰かが自分を操っているみたい。



あなた 《……太ももがくすぐったい。》


なんだなんだと思い太ももを触ると、小刻みに揺れる端末機があった。




あなた 「あ…。忘れてた!!!!!」

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