ともたかside
今はたなっちと2人ではじめさんの忘れ物を東京まで届けに行っている。
俺は今日休みの日なのにどうしてたなっちと東京に向かっているのかというと…
30分前----------------
ピンポーン
と「はーい。…こんな時間に誰だ?」
ドアを開けてみるとそこにはたなっちがいた。
と「たなっち!?どうしたん?」
た「いや〜はじめさんがさ、今東京でお仕事中なんだけどHAPに忘れ物したから届けてくれって。」
と「着いてこいと…?」
た「うん。」
たなっちは深く頷いた。
俺はちょっと待ってて、と言って出かける支度をしてくる。
と「おまたせ。」
た「早かったね。」
と「まあ、そんな準備するもんも無いんで。」
た「確かにな笑。」
車に乗り込んでからたなっちを問い詰めた。
と「で?本当の理由は?たなっちそんな理由で俺の家まで来ないでしょ。」
たなっちはいたずらがバレた子供みたいに笑って、あちゃ〜と言った。
----------------
そして今に至る。
と「で、なんで呼び出したわけ?」
た 「やっぱりともたかにはバレるか〜。でもはじめさんが忘れ物してそれを届けに行くってのは本当だよ?」
と 「うん。で、なんで俺も一緒に行かなくちゃいけないわけ?」
た 「まぁそんな怒んなって笑。休み中に押しかけたことは悪かったよ。でもともたかに報告しておかなくちゃいけないことがあって。」
と 「報告?」
た「うん。今日さ、俺とてつやと〇〇で恋バナしたんよね。」
と 「お、おお。それはまた意外なメンバーで。」
た「たまたまHAPに3人しかいなくてね。それでさ、〇〇にともたかから告白されたの?って聞いたわけよ。」
と「ええ!?そんなことたなっち聞いたの!?」
た「うん。ともたかダメだった?」
と「俺はダメじゃないけど、〇〇は困るでしょ。」
たなっちは突拍子もないことする人だってことは把握していたつもりだったが、ここまでとは。絶句している俺をよそに、たなっちは淡々と話し続ける。
た「〇〇は別に困ってなかったよ。むしろ誰かに相談したそうだったし。」
と「たしかに、畑の誰かに相談ってなるとたなっちとてつやが適役だもんなぁ。」
た「そう。それで恋バナの流れで聞いたんだ。そして一通りのことは聞いた。そんなに詳しくではないけど。ともたか嫌だった?」
と「いや、別にそこは気にしないけど。」
た「だよね。だと思ったから聞いたんだけど。」
そこでたなっちが黙った。
と「え、それだけ!?」
た「うん。一応ともたかにも聞いたよって報告をしておいただけ。」
と「お、おお。そのためだけに俺を呼んだわけ?」
た「だってHAPでは話せないでしょ、こんなこと。」
と「まあそうだけど。」
たなっちはそれだけと言っているが、たなっちの事だから〇〇に何かアドバイスをしたんだろう。例えば、俺が応援するって言ったことについて素直に受け取れ的なこととか。
たなっちとは俺が畑に加入してから2年ちょっとの付き合いだ。メンバーであり、ライバルであり、親友であるたなっちのことならもう手に取るように分かってしまう。
まったく、お節介なんだから。
脳裏に浮かんだ言葉とは裏腹に俺の頬は緩んでいた。
たなっちside
本当は〇〇にアドバイスしたことまで言おうと思ってたけど、やっぱりやめた。
照れくさいのもあったけど、ともたかのことだから言わなくてもそれくらい分かっているだろう。
2年以上一緒にいたらそんなことまで分かってしまうものだ。
俺は割とポーカーフェイスだけどともたかにはいつも見破られる。
でも、そういう親友のような関係が、言葉では言い表せないほど好きだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。