健太くんは、私を見かけるたび声をかけて
くれるようになった。
そしていつも距離が近い。
本当に犬のよう。
それを平気な顔で言うあたりが、
本当に罪だなと思う。
私はこの性格のせいで、今のクラスになって
特別仲のいい子ができなかった。
自分から声かけられないし。
けど健太くんが現れて、私の学校生活変わったな....
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試合を1ヶ月後に控えているということもあり、
いつも以上に仕事が増えた。
私は大きなカゴ2つを持って洗濯機に向かっていた。
すると。
ひょいと2つとも私の手から消え、
突然現れた健太くんが持っていた。
本当。優しい。
私が困ってたらいつもすぐ助けに来てくれる、
こうやって、他愛もない会話をしていると、
すぐ洗濯機に着いた。
私もすごい元気が出た。
どんなにたくさんある仕事だって、何でこなせる
ような気がしてきて。
健太...いや、犬太くんのおかげだな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!