ベンチにひいた健太くんに手当てをした。
昨日あんなに練習してたのに。
悔しいだろうな。
震えながらそう健太くんは言った。
- - - - - - ✂︎ - - - - - - ✂︎ - - - - - - ✂︎ - - - - - - ✂︎ - - - - - -
それでも、少しでも嬉しいと思っている私を、
救いようのない私を、
神様。許してください。
ぎゅぅうう
健太くんにとってスキンシップは
ただのじゃれ合いのようなものなのか。
そう思うと、少し胸がキュッとなった。
- - - - - - ✂︎ - - - - - - ✂︎ - - - - - - ✂︎ - - - - - - ✂︎ - - - - - -
健太くんは、仕事をしていても
部員の練習風景をガン見していた。
バスケ。本当に好きなんだな。
微笑ましい。
最近健太くんを見ていると、妙に心が躍る。
話すと心が弾む。
いないと心が沈む。
これは。何?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。