第3話

出会い(02)
77
2019/01/01 16:06
「 さむい…… 」


年々寒く感じる冬が私は嫌いだった。


街は三日後に迫るクリスマスに向けてイルミネーションが輝いていた。


ふと見上げると、雪も降ってきた。


この時期になるとよく聞く有名な曲の歌詞に


「 恋人は サンタクロース 」


という一節がある。


恥ずかしい話をすると、私は生まれてから今まで彼氏が1度もできたことがない。


それは人より小さいこの胸のせいか、


いつまでも直せないこの根暗な性格のせいか、


理由を考えて、言い訳をつけるのが私の習慣となっていた。


「 恋人は サンタクロース 」


理解できない。


クリスマスは家族とチキンやケーキを食べるファミリー向けの行事だ。


街を行き交うカップルを見つめ


「 邪魔だな…… 」


ため息が出る。

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