クリスマス3日前のその日、僕は仕事納めだった。
今年はたくさんの映画やドラマに出演する事ができ、とても充実していたと実感する。
自他ともに認めるこのイケてる顔。
このイケてる顔は世の女性を魅了していると自分でも思う。
だけど僕には彼女がいない。
クリスマスに彼女と過ごした年は何年前だっただろう。
覚えていない。
彼女どうこうより、致命的なことに、僕は好きな人ができない。
" 芸能界 "
煌びやかな世界には素敵な女性がたくさん居ると、
芸能界に入る前は、友達とそんな話をよくしていた。
いざ入ってみると、
「 こわい 」
それが僕の今の気持ちだ。
事務所の先輩は、ハニートラップを仕掛けられ、週刊誌に載っていた。
同期は、彼女と同棲していることがバレ、バッシングを受けていた。
「 めんどくさい 」
僕は演じる事が好きだ。
たかが恋愛ごときで好きな仕事を捨てたくはない。
そんな思いがある一方で、
そんな夢中になれる子に出会ってみたい、
こんな欲望もあった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。