第4話

出会い(03)
37
2019/01/01 16:17
クリスマス3日前のその日、僕は仕事納めだった。


今年はたくさんの映画やドラマに出演する事ができ、とても充実していたと実感する。


自他ともに認めるこのイケてる顔。


このイケてる顔は世の女性を魅了していると自分でも思う。


だけど僕には彼女がいない。


クリスマスに彼女と過ごした年は何年前だっただろう。


覚えていない。


彼女どうこうより、致命的なことに、僕は好きな人ができない。


" 芸能界 "


煌びやかな世界には素敵な女性がたくさん居ると、



芸能界に入る前は、友達とそんな話をよくしていた。


いざ入ってみると、


「 こわい 」


それが僕の今の気持ちだ。



事務所の先輩は、ハニートラップを仕掛けられ、週刊誌に載っていた。



同期は、彼女と同棲していることがバレ、バッシングを受けていた。



「 めんどくさい 」



僕は演じる事が好きだ。



たかが恋愛ごときで好きな仕事を捨てたくはない。


そんな思いがある一方で、



そんな夢中になれる子に出会ってみたい、


こんな欲望もあった。


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