蓮side…
今日のあなたは何かが変
いつもお母さん以外の連絡なんか来ない
携帯に今日は誰かが増えた
♬︎〜♬︎〜
そして
またあなたの携帯が鳴る
『誰だよ!』
イライラする。
俺の知らないあなたが居るようで…
友達なんて絶対に出来てない。
いや…
出来たら困る…
あなた「ねぇ…蓮…」
俺が怒ってることに気づいたあなたは
俺の顔色を見ながら話しかけてくる
『なんだよ…』
あなた「明日…一緒に帰れない…」
『は?』
あなたと俺は
小学生の時から一緒に帰って来た。
あなた「…ちょ、ちょっと…予定が出来て…」
なんて気まづそうに言う
『男?』
あなたは本当に分かりやすい。
図星をつかれるといつも話さなくなる
『誰だよ。その男。』
あなたに…
好きな奴ができた?
嘘だろ…
あなた「…ごめん…」
下を向いて俺に謝る
えっ…なんで俺
謝られてんの?
俺がお前のこと…
お前なんかを"好き"みてぇじゃん
『別にどうでもいい。』
『お前とはもう一生帰らない』
俺は子供だ。
一緒に帰りたいのに
あなたのこと大好きなのに…
そんなことあなたには
絶対に言えない。
♠︎…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!