夢を見たんだ。
それは、とっても幸せなお話で。
私が恋に落ちる夢なんだ。
クラスで噂されるあの人と出会って。
私は、その人と仲良くなって、
恋をする。
夢の様な話。
でも、それは、本当に夢で。
気付いたら、日の差し込む部屋を見渡していた。
朝から独り言+苦笑いを浮かべる。
それにしても、随分と変な夢だったな。
階段の下から聞こえる声に返事をして、
飛び起きる。
急いでいつもの制服に着替えて、
階段を降りた。
あ、私は、阿彗時雨、高校2年生です。
口に突っ込まれたおにぎりを手で掴み、
リュックを背負い、家を出た。
軽い足取りでいつもの交差点まで小走り。
あ、おにぎり詰まりそう。
焦らず焦らず…(笑)
笑顔でピースするコイツは世羅ひかり。
私の親友であり、幼なじみだ。
彼女は小学三年生の時、大阪から引っ越してきた。
長い休みは毎回大阪に帰るため、
今でも関西弁は抜けない。
たまたま家が近いから、私達は仲良くなり、
その頃から毎日学校へ一緒に通う。
高校は、偶然にも同じで、喜んだものだ。
ひかりは私をなんだと思ってんだコラ…(笑)
少し言い出すのは悩んだけど、
ひかりなら、私のことに関しては口が固い。
ひかりは頼りになる、だから話せることだ。
猫塚とは、クラスの中心的人物。
いつも明るく、笑いを取るのはアイツが必ずいる。
悪いことをしているとするなら、
耳にピアスつけてること位(笑)
あと、校則違反のパーカー。
でも、その校則も消えつつあって、
私も暖かいし、可愛いなんて理由で着ているが。
ニヤニヤするひかりを追いかけて、
本鈴にはギリギリ間に合った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。