第4話

お昼ごはん
95
2019/12/21 07:51
世羅 ひかり
世羅 ひかり
しーちゃーん!お昼どーするー?
阿彗 時雨
阿彗 時雨
ごめーん、購買ついてきて~!
世羅 ひかり
世羅 ひかり
仕方ない奴やなぁ~
阿彗 時雨
阿彗 時雨
あざま~す(笑)
と、クラスがお昼ムードで騒がしくなった時、
猫塚 颯太
猫塚 颯太
硝~野さんっ。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
ふぁっ、いっ!
後ろから耳元で名前を呼ばれて、


思わず変な言葉になってしまう。
猫塚 颯太
猫塚 颯太
…www
硝野 紫暮
硝野 紫暮
わ、笑わないでください…
後ろから声を掛けられたら誰でも驚きますよ…!!
猫塚 颯太
猫塚 颯太
悪ぃ悪ぃ(笑)
ちょっと間空けて着いてきてね?
硝野 紫暮
硝野 紫暮
え、本当に良いんですか…!
猫塚 颯太
猫塚 颯太
まぁ、目立っちゃうからその話後ね!
硝野 紫暮
硝野 紫暮
わ、分かりました…
と、特に目立たず、怪しまれず着いたのは、
硝野 紫暮
硝野 紫暮
なるほど…体育館裏の階段なら、
確かに誰も使いませんね…って!
硝野 紫暮
硝野 紫暮
ね、猫!?
感心していたのも束の間、


猫塚くんの周りには、数匹の猫が近付いてきていた。
猫塚 颯太
猫塚 颯太
おー!お前ら、
出迎えてくれたのかっ!
と、膝を付いて猫を撫でる猫塚くん。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
猫、好きなんですね。
猫塚 颯太
猫塚 颯太
ま、名字に付く位だからなー!
硝野 紫暮
硝野 紫暮
…可愛い…。
フワフワとした毛に、クリクリの目。


とても可愛らしい猫達だな…


と、自然に頬が緩んでいた。
それに気付き、猫塚くんを見ると、


何故か私の顔をじっと見つめていた。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
あ…この顔…気持ち悪かったですか…
すみません…
猫塚 颯太
猫塚 颯太
…逆。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
え…?
猫塚 颯太
猫塚 颯太
硝野さん、何で笑わないの?
めっちゃ素敵なのに!!
顔を近付けられ、更には褒め言葉。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
すっ、素敵…!?
猫塚 颯太
猫塚 颯太
うん、なんていうんだろ、可愛い?かな。
『可愛い』なんて言葉、


自分に向けられるのは数年ぶりだろう。


いつもは悪い方に考えて、


からかわれているのではないかとか、


思ってしまうんだけれど。


何故か猫塚くんの言葉は曇りが無く、


本心から言っている様に聞こえるから、


嬉しいなんて一言では言い表せなかった。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
そ、そんなことより、
ご飯食べないんですか…?
猫塚 颯太
猫塚 颯太
あ!そだね!食べよ!
と、猫塚くんも私も、弁当の包みを外す。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
…!可愛いお弁当ですね…。
猫塚 颯太
猫塚 颯太
これ、妹が毎日作ってくれんだよなー!すげーだろっ!!✨
キラキラと目を輝かせて、自慢気に話す猫塚くんに、


思わず笑ってしまう。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
ふふ…そうですね。
猫塚 颯太
猫塚 颯太
硝野さんは?それ、
お母さんにつくって貰ってるの?
硝野 紫暮
硝野 紫暮
あ…こ、これは…
硝野 紫暮
硝野 紫暮
その…自分で…
猫塚 颯太
猫塚 颯太
えぇぇ!すげっ!!
硝野 紫暮
硝野 紫暮
い、いえいえ…可愛いお弁当は作れませんから、妹さんには敵いませんし…
猫塚 颯太
猫塚 颯太
そーんなことないって!
と、色んな雑談しながらお弁当を食べ終わった。
猫塚 颯太
猫塚 颯太
ごーちそーさまっ!
硝野 紫暮
硝野 紫暮
ごちそうさまでした…
今更な話、ご飯を食べ終わった事による、


私は何故ここにいるんだろう、という、


賢者タイムが訪れた。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
そ、そういえば、私を何故誘ってくださったのでしょうか…
猫塚 颯太
猫塚 颯太
うーん、何か寂しそう…だったから?
硝野 紫暮
硝野 紫暮
さ、寂しそう…?
猫塚 颯太
猫塚 颯太
せっかく学校来てるんだから、
楽しい生活にしたくない?
まさしくその通り─────


でも、私にはそれができない。


だから、今、嬉しすぎて、泣きそうな位。
硝野 紫暮
硝野 紫暮
猫塚くんは、楽しいですか?
猫塚 颯太
猫塚 颯太
おうっ!勿論!
猫塚 颯太
猫塚 颯太
友達と話して、猫とご飯食べて、
今、こうやって硝野さんと話すのも楽しいんだよ?
硝野 紫暮
硝野 紫暮
ありがとう…ございます…
猫塚 颯太
猫塚 颯太
あわっ、泣かないでね!
硝野 紫暮
硝野 紫暮
はい…
と、いうところで、体育館裏の階段に繋がる、


つまり私達の目の前の扉が、急に開いた。


すると、数匹の猫が扉の方へと行ってしまう。


一体誰が…
???
颯太ぁ~…ん!?君なんでここに!?

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