私は、思いっきりジャンプする。
そして、手を置いて上半身を上げ、
上へと上がった。
ヒラヒラと手を振って来た町谷くんと、
血相変えて走ってきた担任。
実際、嫉妬していい気ではなかった私だし。
それに、どちらにせよ三人は、
友達だから。
庇わないわけには行かない。
あーあ、
来るとは思ってたけど。
でも、二人の方が罪軽くなるって言うし、
助かったかな。
私達の庇いを思いっきり踏み抜かれて、
中々にショックだけど。
もしこれでこの発言によって、
何もないことにしてもらえたのなら。
硝野さんには何も言えない。
私達が気にしていたのは、
彼女ら三人の処分。
もう既に、羽華と美愛は泣いていた。
咲希は下を見て、今にも泣き出しそうだった。
根まで悪い訳じゃない。
この処分が軽くなれば良いんだけど。
先生はその目的を見透かして、
少し微笑んでそう言った。
猫塚は、硝野さんに詳しく事情でも聞くのかな…?
意外とアイツは人想いだし。
先生には言えないことも聞き出すんだろう。
と、私達、猫塚と硝野さんを除き、
キャンプ場へと山を降りた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!