私は、名もない花。
だけど、これから起きるひと夏の間で私は成長した。
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私はとっても消極的で人見知り。
人の話もまともに顔を見ることが出来ない。
だけれど、クラスのみんなは私のことを気に留めてもいない。
(受験生ということもあって、勉強に熱が入っているだけだと思うが)
私は存在が薄いんだ。きっと青春も出来ない。
そう思った。
でも、私には好きな人がいた。もちろん片思いなのだが、1年生の時からちょっとずつその優しさに惚れていった。
釣り合うはずがないそのクラスの人気者の男子。
でも、目が合う度に胸が踊るんだ。
夏休みなんて嫌い。
これから始まる長い休みに文句はないが、どうせ勉強でまともに遊ぶことも出来ないし、何より好きな人に会えないのが辛い。
だから夏休みなんて来ないで欲しかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!