第16話

9話
1,245
2022/08/25 15:00


瀬戸side



俺たちは南極に向かうべく、ぼんじゅうるさんの運転するヘリに乗りこんだ。


それから数時間。


ふと、のっちがあることを呟いた。
なかのっち
でも、なんで南極なんだろうな?
瀬戸あさひ
え?
なかのっち
だって、ほかは全部ちゃんとした国だろ?
なかのっち
なのに、どこの国にも属さない南極なんて、なんか変だなーと思って。
ぼんじゅうる
……確かに、そうだな。
 ねろちゃん
千代女さん、南極ってどんな感じでした?
望月千代女
そうですね…ポツンと豪華な氷の城がたっていましたよ?
望月千代女
あとは特に、目立った建物もないですし……。
ぼんじゅうる
……千代女さん、それ本当ですか?
望月千代女
……?はい、本当です。
ぼんじゅうる
……なら、今目の前に見えるあれは、なんなんだ?
全員
俺たちは窓の外を見る。
望月千代女
なっ!?ばかな!?
その先には、氷の上の大地に立つ、立派な城下町だった。
望月千代女
そんな……!?昨日はこんなに発展はしていなかったはず…!?
 ねろちゃん
……何か、理由がありそうだな。

すると、何かがこちらに向かって飛んでくる。


その何かは、ヘリの真横まで来て、一緒に併走する。
瀬戸あさひ
な、なんだ?
???
『君たちがマスターのお客さんかい?』
なかのっち
喋った!?
???
『失礼な……って……へぇ。マスターの言う通り、本当にそっくりだねぇ…』
???
『ようこそ。南極妖精國へ』
???
『私の名は…そうだね、妖精騎士ランスロットと名乗っておこうか』
妖精騎士ランスロット
『これから君たちの空の旅に少しだけお供する、案内役さ』
 ねろちゃん
妖精騎士…ランスロット…?
妖精騎士ランスロット
『さ、ついてきたまえ』






妖精騎士ランスロットと名乗る人?に、俺たちはヘリを止められる場所まで案内される。
妖精騎士ランスロット
よし、僕はここまでだね。
妖精騎士ランスロット
後はよろしく〜バーゲ…いや、妖精騎士ガウェイン。
そういうと、甲冑を纏った女性…が、こちらに歩いてきていた。
妖精騎士ガウェイン
…分かりました。皆さん、はじめまして。
妖精騎士ガウェイン
妖精騎士ガウェインと申します。これから皆さんを玉座の間に案内致します。
妖精騎士ガウェイン
黙って着いてくるように。
瀬戸あさひ
は、はいっ。
ぼんじゅうる
俺はここに残るよ。
ぼんじゅうる
ドズさん達に連絡とか入れなきゃ行けないしね。
なかのっち
分かりました。





彼女に案内されるまま、黙って着いていくこと10分。


ついに玉座の間という場所にたどり着いた。
妖精騎士ガウェイン
陛下。お連れ致しました。
モルガン
ご苦労さま、ガウェイン。
モルガン
はじめまして、私の名はモルガン。
モルガン
この南極妖精國の女王です。
 ねろちゃん
………。
なかのっち
はじめまして…。
モルガン
さて、あなた達がここに来た理由はわかっています。
モルガン
…あなたがねろ、ですね?
 ねろちゃん
……なかのはどこだ?
モルガン
彼なら、もうすぐここに来ますよ。
モルガン
……ほら、噂をすれば。

モルガンという方がそういうと、後ろの扉が開いた。
そこに居たのは、のっちだった。


……みさとらんの時もそうだったけど、本当に、そっくりだよな。
 なかのっち
…久しぶりだな。ねろちゃん。
 ねろちゃん
なかの……!
なかのっち
なんか気まずいんだけどどうしよ…?
瀬戸あさひ
俺に言うなよ…
 なかのっち
…はじめまして、君たちが人間の瀬戸と…俺か。
なかのっち
あ、どうも…。
瀬戸あさひ
………。
 なかのっち
………。
瀬戸あさひ
……?
吸血鬼ののっちは、なにか悲しそうな表情をしていた。
 なかのっち
……それと、みさとらんのとこのサーヴァントさんも、昨日ぶりですね。
望月千代女
そうでございますね。
 なかのっち
……うん、そうだな。
 なかのっち
もう、単刀直入に言うよ。
 なかのっち
ごめん、俺たちは君たちの力にはなれない。
瀬戸あさひ
っ!
なかのっち
え…。
望月千代女
なかのっち殿!?昨日と話が違うではありませんか!?
 なかのっち
……うん、ごめん。
 なかのっち
どうしても、やらなくちゃいけないことが出来たんだ。
 なかのっち
それに君たちを巻き込む訳にも行かないからな。
 ねろちゃん
……やっぱりな。
 なかのっち
……分かってた?
 ねろちゃん
お前を見た瞬間、分かったよ。
 なかのっち
ははっ、流石ねろちゃん。
 なかのっち
みさとらんにも、謝っておいてくれないか?
 ねろちゃん
ああ。
 なかのっち
……お詫びと言っちゃあなんだけど、みっつ、君たちに情報をあげる。
 なかのっち
1つ目、君たちが戦わないといけない相手について。
瀬戸あさひ
 なかのっち
君たちは俺たちを生き返らせた神と名乗るやつを倒さなければならない。
 なかのっち
その為には10個の聖杯を壊す必要がある。
 なかのっち
その10個の聖杯の場所は、俺たちマスターがいる国にある。
 なかのっち
マスターが持っている場合もあれば、持っていない場合もある。
 なかのっち
この南極は、後者の方だ。俺自身も場所は知らない。
 なかのっち
……でも、この国の聖杯を壊すのは、少し待って欲しい。
 なかのっち
君たちが全ての聖杯を壊した時、ここの聖杯を壊すことは約束しよう。
 なかのっち
……そして、もうひとつは。
 なかのっち
…アメリカにいるハッチャンと、中国にいるしうねさんは、君たちの味方だ。
 ねろちゃん
………。
 なかのっち
きっと君たちの力になってくれる。
瀬戸あさひ
アメリカと…中国…。
 なかのっち
そして最後のひとつは。
 なかのっち
……俺たちに与えられた領地について。
なかのっち
領地……?
 なかのっち
そう。
 なかのっち
日本、アメリカ、中国、フランス、イギリス、ロシア、イタリア、エジプト、インド、そしてこの南極。
 なかのっち
この9つの国と1つの大陸が選ばれたのには、理由があるんだ。
 なかのっち
今から話すよ。
 なかのっち
今この地球で、何が起きているのか。
 なかのっち
そして、 何が起きていた   ・ ・ ・  ・ ・  ・ ・のかを。



to be continued…



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