あれ、ここ、どこ?
ここ…
!しゃしゃら!
…?
違う?じゃあ、誰?
私の知ってるしゃしゃらはどこ?
泣いとるん?
なんで、泣くん?
え?どこ行くん…?
うち置いてどこ行くん?
うち、一人やや、真っ暗な世界で一人なんてやや……。
誰かがいなきゃあかんのに
怖い、一人怖い
私の事、大事にしてくれる思たのに!
誰か、うちを大事にしてくれる、人……。
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ぎゅっ
「まって!」
何処か、遠く
私はその日から悪夢を見続ける
涙も流す、冷や汗をかく
私は、ぼろぼろになる
頷くことしかできない
ブンブンブン!!
うちは、しゃしゃらと一緒に居れるだけで幸せやのに、悩む事なんか、ないのに!
ピンポーン
「中王区の者です」
もしかして
「八ツ葉お嬢様」
「声が出ないのは、現代当主の死期が迫っているのです、八ツ葉お嬢様、七ツ葉お姉様の跡継ぎは、貴女しかいな─…」
とっさにとったノートにガリガリ書く
泣き出しそうだ、お姉ちゃんが死んじゃうだけでも辛いのに、しゃしゃらとも離れるなんて…!
胸にぽっかり、穴が開いた
しゃしゃらも、わるもんか
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!