100人突破を祝して、番外編書きます!
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【デート 〜遊園地編〜】
これは、私が監禁される1ヶ月前のこと。
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「...結構、混んでるな。」
そう言った彼...和馬くんと、近くの遊園地に来てる。
昨日、コーデを考えてたら夜更かししちゃって...
起きたのは、待ち合わせの5分前。
急いで支度したけど...結局、1時間遅れてしまった。
そんなダメダメな私に、和馬くんは笑って、
「気にしなくていいよ!
...それより、今日の優香はいつも以上に可愛いね」
なんて言ってくれたんだ。
こういう幸せの積み重ねが、いつか大きな愛に変わるといいな、なんて柄でもないことを考えてしまう。
...で、私が遅刻したせいで、遊園地はどの列もすごく混んでいた。
「うん...私のせいで、ごめんね...」
「優香のせいじゃないよ!
...よし、早く並ぼう!」
和馬くんの前向きで、優しいところが大好きです。
1人で和馬くんへの愛を綴っていた私に、「聞いてる?」と首をかしげながら彼が言う。
首かしげるって...可愛すぎでしょ!!
見た目はすっっっごくかっこいいんだけど、たまに可愛い動作があるから、そのギャップがたまんない!
「聞いてるよ!
そうだね...どこ並ぼっか?」
「...じゃあ、お化け屋敷とかどう?」
お、お化け屋敷か...
実は...お化けとか幽霊とかそういうのはダメで、お化け屋敷にも1回しか入ったことが無い。
本当は断りたいけど...私のせいで、迷惑かけちゃってるんだし。
ここは、和馬くんの意見に合わせよう。
「...いいよ!」
すると、彼はにこりと笑って私の手を引き、お化け屋敷の方へと引っ張っていった。
─────この時、和馬くんが不敵な笑みを浮かべていたなんて、知るはずもなかったんだ…
「く、暗いね...」
『そりゃ、お化け屋敷だからね。』
「じ、じゃあ行こっか!」
『...足ガタガタしてるけど、平気?』
「あ、はははは。大丈夫だよ、大丈夫。」
『へぇ...』
……怖い。
思っていたより本格的なお化け屋敷で、照明は一切なかった。
そういう工夫なのか、入口より少し肌寒く感じる。
...私、生きて帰れるかな、はは。
『優香...遅くない?』
「ご、ごめんね...」
和馬くんのペースが早く、びびりの私はついていけていない。
...私が、走り始めた時だった。
『う、わあ...』
「きゃ、ああああああああ!!」
和馬くんが小さな悲鳴をあげた。
その悲鳴にびっくりした私は、叫んで和馬くんに抱きついた。
「な、何かいたの!??」
『...なんもいないよ、ふふ。』
「...え?」
なんもいないのに叫んだの?
え、どうして?
『ごめんね、ちょっといじわるしちゃった!』
「ひ、ひどい...っ!」
私が驚いているのを面白がっているのか、にこりと笑う彼。
...今日の和馬くん、なんかおかしい?
いつも紳士な彼は、いじわるなんてしなかった。
……もしかして、お化け屋敷苦手なの知ってて、わざと連れてきた?
『...優香は、ほんと可愛いね。』
────この時から、彼は崩れていたのかもしれない。
【デート 〜遊園地編〜 END】
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。