第4話

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2018/04/21 14:09



「...優香、君しか見えない。君がいればそれでいい。君の世界からいなくなったら僕もいなくなる。

...そのくらい、優香のことを愛してるよ。」







そう言って下げられた食器。


食器から手が離れると、その手は私に伸びてきた。





抵抗したい。

気持ち悪い。

今すぐ逃げたい。

殴りたい。

逃げたい。

逃げたい。

逃げたい...




...逃げれない。






「っきゃ...」





服の上から胸を触ってくる彼。





...犯されて、しまうのか。




このまま服を脱がされ、彼に身を委ねるしかなくなってしまうのか。




...彼を、身体でも受け入れなければならないのか。


















「...触らないで。」
















「...え?」












彼が私の目を真っ直ぐ捉える。







...今、私は...








彼に、抵抗してしまった?









気づいたら声が出ていただけなのに。








「触らないで。」








この一言が、彼の耳に入ってしまった。









だから、「え?」と言われた。










今更ながら、事の重大さに気がついた。






















...私は彼を愛している“設定“なのに、彼を“拒んで“しまったのだ________






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