第68話

〜四百六十七話〜
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2023/02/06 13:04
『私が産まれてこなかったら』
磯貝悠馬
磯貝悠馬
『そんな事ないに決まってるだろ!!』
磯貝はあなたに思いっきり抱きつきながら怒鳴った
あなたは驚いた
ガツンど頭を殴られたような気分だ
磯貝悠馬
磯貝悠馬
『お前のせいなわけあるか!!』
(なまえ)
あなた
『で、でも私のせいで……』
磯貝悠馬
磯貝悠馬
『殺せんせーはお前がいなくても死んでいた!!
雪村先生だって!!』
(なまえ)
あなた
『私は、化け物なんだよ!?
普通じゃない、呪われた存在なの!!』
磯貝悠馬
磯貝悠馬
『それでもいい!!
俺はあなたが良いんだ!!
他の誰でもない、あなただから!!
呪われた存在だって構わない、そんな呪い俺が打ち消してやる!!』
何故だろう
何故彼はここまで自分を助けてくれるのか、そして、ふと思い出した事があった
(なまえ)
あなた
『私は磯貝がいい!!
磯貝の家がどうとか知らない!!
私は他の誰でもない、磯貝がいいの!!
磯貝だから!!』
いつの日か、いじめられていた磯貝に自分が言った言葉だ
(なまえ)
あなた
『もういいんだよ
自由に生きよう?』
目の前には幼い頃の自分が
そして、怒ったような表情の磯貝
(なまえ)
あなた
『いいの?
本当にいいの?
後で後悔するよ?』
磯貝悠馬
磯貝悠馬
『後悔なんてするもんか
いいんだよ、あなたはそのままで』
二人は輝く蝶に囲まれて、暗闇から消えていった


──
───
────


磯貝が話終わると、出久達は口を開けて驚いていた
そして、顔が真っ青になる者や、泣きだす者もいた


自分達の存在が彼女を苦しめていたのだ
緑谷出久
緑谷出久
そんな……僕……そんなつもりじゃ……!!
出久はそんなつもりじゃないと言うが、思い当たる事はいくつもある


あなたに引子から貰った誕生日プレゼントを自慢げに見せた
久から褒めてもらったと嬉しそうに話した
緑谷出久
緑谷出久
姉さん……姉さん……!!
出久は膝から崩れ落ち、泣き叫んでいると


バァン!!


勢いくよくE組の教室の扉が開いた
そこには、肩で息をしている今までに見た事のない程焦っている烏間だった
烏間惟臣
烏間惟臣
た、大変だ!!あなたの名前の最初の一文字目(平仮名)、あなたさんが!!

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