「⁉」
「晴美、エネルギー砲…」
忠告しようとした瞬間、その光は晴美一直線に向かった。
晴美は避けようとしたが、命中し、床に叩きつけられる。服は破け、傷もできている。
「晴美…!」
近づこうとするが、バウルは私達を捉えてまたエネルギー砲を撃つ。
避けたが、晴美には近づかせないみたいだ。
「…朱音は晴美を…!
バウルの気は私と利菜が引く!」
利菜はその言葉を聞くとすぐさまバウルに襲い掛かる。
『安身立命
生命生み出し我が守護神…力を下さい。
聖なる鎖の鉄槌!』
鎖の先についた鋭い重りがバウルの右眼にささり、またバウルは大声を上げた。
その呻き声は鼓膜を突き破りそうな勢いだ。
「うっっせぇなぁ!!」
その声に耐えかねて叫ぶ。
脚の節を突き刺せば、またバウルはうなり声を上げる。
明らかに弱くなってる。
これは…時間差による物?いや、違う。エネルギー砲を撃ったからか。
だから、エネルギーを使ってしまって弱くなってる。
皮膚が固いとかあいつは言ったけど…多分もともと持っているものではない。
きっと皮膚を硬くしているだけ。
これも私の憶測だけど、エネルギーが足りなかったらしばらくの間は打てないんじゃないかな。
さっき,2発目の威力が小さかった。
「とにかくエネルギー砲に当たらないように!」
そして私達はバウルに襲い掛かった。
*・゜゚・*:.。..。.: *・゜゚・* :.。. .。.:*・゜゚・*
あなたside
目が覚めると…、そこはベッドの上だった。
朝と同じ部屋。
…だが、少し違う。
すると窓から大きな爆発音が聞こえてきた。
恐る恐るその爆発音の原因が見えないかどうか、窓を覗いて確認する。
少し遠くのほうの建物からもくもくと黒い煙が上がっていた。
「何…あれ。」
そして机の上に何か置いてあるのが見つかる。
『いろいろ問題が起こったけど、大丈夫。
部屋にいる限りは多分安全だから。
もし何か指示があった場合指示に従って。
私は原因を探らないといけないから一緒にはいられないけど…。
戦いが終わったらすぐ行くから!
Aya』
そうメモ用紙に書かれていて、ひとまず一息ついた。
「彩…頑張って…!」
そしてそう心の中で祈った。
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桜花爛漫…満開の桜の花が、みごとに咲き乱れているさま。また、非常に明るく華やかなさま。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!