第15話

作戦
33
2021/02/01 11:40

愛奈side

「いくよ、朱音!」

「分かった!」

刀が私の昂る鼓動に共鳴するかのように深海色に光る。
消息盈虚 しょうそくえいきょ…!
時を刻みし我が守護神よ…私に力を…!

くる歯車はぐるま!」



朱音も技言葉を唱える。

気炎万丈 きえんばんじょう
炎纏まといし我が守護神よ…その力…貸して頂きます…!

火炎花咲 かえんかざき!』



奴の動きが私たちの攻撃で止まる。

「ありがとうございます!先輩!」



迅雷風烈 じんらいふうれつ…!
自然司りし我が守護神よ…その御力…使わせていただきます!

必殺

電光石火でんこうせっか!』


そんな彼女の手には刀は握られていなかった。
そして水の中に飛び込み、放電した。

「水はっ…!
物理攻撃は聞かないけどっ!
水なら電気を通すから中の人間にダメージがいく!」

彩は余裕の無い笑顔を見せた。

たしかにそれを狙って、彩にお願いした…が、1つ欠点があった。

彩はまだ能力のコントロールが完璧ではない。
なので、自分も感電してしまう。

彩が手を離せば水は無くなり、さっき化け物と化していた人間だけになった。

「…ここからは清掃班に任せよう。」

朱音に呼びかけられ、ボロボロになっているドアに向かう。

ドアの向こう側にいた大人たちに学校の隣の病院棟に連れて行かれ、治療を受けさせられた。


アドレナリンが強く出ていたのか、私の左二の腕から手首にかけては血がでていたのに気づかず、自分でも驚くぐらいだった。朱音も所々怪我をしていて、手当てされていた。
だが、彩は傷一つついていなかった。
明らかに感電していたから、火傷の跡くらい残っていてもおかしくは無い。

これは彩の能力なのだ。
彩は自然能力を全て使うことができる。という能力の中には今回使っていた『水、氷、電気』以外の能力は『炎、植物、地、風、鋼、治癒…』と言ったところだろう。
治癒は、自分に対しては常時発動らしい。

それ故に、全ての力を満遍なく強化するのは難しい。朱音と火力勝負をすれば彩は負けてしまうだろう。

だが、沢山能力があれば対応できる敵の数も増える。

そういえば…あなたちゃんは…?

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