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2018/02/12

第9話

「忍ぶれど」
美亜&魁斗&後ろの席の男子(優海 ゆう)

美亜side



「っ…………、」

私には、好きな人がいます



「…はい、プリント」

目の前に座る、この人、

プリントを配られる度に体温が上昇するくらいには好きなんだけど……

私には全く見向きもしてくれなくて、


「美亜?みーあー?」

見ないようにって意識しても
どうしてもあなたを見てしまっていて

「またボッーとして、顔に出過ぎですよー?」
「ほんとな、顔に好きって書いてあるようなもんだよな」

友達が顔を見合わせてクスクスと笑う

「あっ、いやそんなことないし!バレちゃうからそんな言わないでっ」

焦ってちらりと隣を見ると

他の人と笑いながら会話をしてる姿が目にうつった


…当分気づいてくれそうにないな

そう思って小さく息をつく


「ねぇ、」

いきなり、普段から仲の良い男友達に声をかけられ、体を振り向かせた

「あっ、な、なに?」
「なんでそんなびくびくしてんだよ」

笑いながら言う彼はいつも通り私を和ませる

「別になんでもないよ、」

私も笑い返すと軽く目を細め微笑んだ

「いきなりなんだけどさ、今から言うことあててね」

彼はそれだけ言うと口をパクパクとさせた

ちゃんと言えばいいのにって思いながら

もう一回言って、

そう頼んだ



「……す?……き?……………え!?」

その瞬間相手の顔が、
恥ずかしそうに微笑みながらも
ほんのりと赤らんだのが分かって
嘘じゃないんだと確信した


「……ありがと、でも、ご、ごめ…好きな人が…」
「うん、知ってた、伝えたかっただけ
見向きもされないって落ち込む美亜を俺はずっと見てたってことを」


そんないきなり優しいこと言われたら、

胸が熱くなるじゃん、

溢れてきそうになるじゃんっ……



周りに何回も好きなんでしょ?
って言われるくらい分かりやすい
“好き”なのに

本人は全く気づいてくれなくて

眼中にないっていう事実を直視することが出来なくて、


「…っ辛い」


___どうして人は

この世界に何人もの男がいて
何人もの女がいるのに

たった一人を好きになるんだろう

今この瞬間、
たった一人のことしか想えなくて
なんで涙を流すんだろう

なんでこの人じゃ私はだめなんだろう



「余計かもしれないけどさ、
当の本人には言葉にしないと伝わらないよ、
今のお前みたいにさ」


見せてくれる笑顔は切なげで、
その顔を見て、
自分の気持ちを私に伝えることで背中を押してくれてるんだと悟った


「気づいてもらえないと意識もしてもらえない、それって悲しいじゃん?」

自分が今振られたの分かってて私に助言してるんだよね…?

私のほうが心苦しくなる

「そうだよ、ね、気づいてもらわないと先に進めないよ、ね…」

魁斗とめっちゃ仲がいいわけじゃない、

たまに話してたまに勉強教えて、
そんな『たまに』の関係なら、

何も壊すものもないよね

「今日の帰り、言ってみようかな…」

「焦らなくていいと思うけど、そう決めたのなら、いってらっしゃい」



こんなにも優しく自分の背中を押してくれる

やっぱ少し怖いけど
このままだと関係は変わらないんだし、
…なにより

「見向きもされなくても魁斗のことずっと見てた私を知ってもらいたい、」


そっと呟いて心に決めた

好きになった気持ちを無駄にしないために

見てるだけじゃなくて近づきたいから

魁斗を好きな人間が傍にいるって知ってほしい


だから、告白しよう____


『魁斗っ……………あなたのことが、好きです、付き合ってくださいっ…』