第8話

天の語る過去《後編》
527
2021/03/26 09:56
目を覚ますと天井は真っ白だった
ロボロ
あぁ…そうか
ロボロ
そういえば…意識が
???
やっと起きたか
???
ヴァンパイアやって聞いとったからちょっと力入れすぎたみたいやわ
ロボロ
まぁそれはええけど。無傷やし
ロボロ
それよりも
ロボロ
お前らがここに連れてきた理由と
そろそろ名前くらい教えろや
トントン
まぁそうやな。俺はトントン


トントンと名乗る男は豚の覆面を脱ぐとベッドの隣に置いてあった椅子に座った
ロボロ
……その顔どっかで見たことあると思ったら
ロボロ
お前、数年か前によう噂されとった
大名医の息子桃瀬 豚平そっくりやないか
トントン
まぁそらな。本人やし
ロボロ
やっぱりか
ロボロ
…んで?そんなすごい人が俺になんの用があって
ここに誘拐したんや?
トントン
人聞き悪いな
トントン
俺達はただお前の力を貸して欲しかっただけやぞ?
ロボロ
お前に負けた俺に力を?
ロボロ
ハッ‪w。笑わせんなや
トントン
いや。お前は人間よりも強い。故に凶暴化したヴァンパイアだって
お前がいれば倒せるだろ?
ロボロ
……………………
こいつらほどのやつがなぜヴァンパイア退治をしているのかが
疑問だった。こいつらなら普通にこの国を育てていくだけでもいいだろうに
トントン
不満そうな顔やな
トントン
俺らがヴァンパイアを退治する理由はたった1つや
トントン
ヴァンパイアがいる限りこの世界は支配され続ける。それだけや


その言葉に何ひとつの間違いはなかった
とある遠く離れた国。以前俺だって訪れたことのある
たった一つのヴァンパイアの国
一つだからこその大きなその国に
何時しか人間の国は占領されると噂されていた
だが、我々国はそんなヴァンパイアを人間の国へ近づく度に退治していた


飲まれぬように。

























゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*゚・*:.。.*.:*・゚.:*・゚*


懐かしいこと思い出したなぁ。なんてことを思いつつ
その当時。どこにも居場所のなかった俺は住めるならまぁええか。くらいの気持ちで国に住むことにしたが
判断は間違っていなかった



なぜなら


分かり合える同士と一緒になれる日がやっと来たからだ

今まで俺が繰り出されたのは凶暴化したヴァンパイア退治で話すらできない奴らばかりだったが




今は目の前に、いるじゃないか




まともな話し合いができて、更に仲間になると言われたやつが






あなたの名字 あなた

またの名をあなたのニックネーム

ヴァンパイア特有の匂いですぐに分かった


お前は…ヴァンパイアなのだということが

まぁ女だと思ったのは口からでまかせだが
ロボロ
(俺はやっとまともな仲間ができたみたいで嬉しいで)

しばらくの間みんなの様子を伺ってみることとしよう。そして、あなたがヴァンパイアだということは隠しておいてやろうと思う




続く

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