第35話

インテリア リョナグロ注意
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2020/10/31 09:35
「ふふっ」

あなたがその嘘つきの証拠のような真っ赤な舌に写し出した笑いは桜がマってる訳でもないのにやけに奇麗に映えてたんで頭の中はたんじょーびぱーてぃーのケーキのように擦れた敬語で前頭葉を満たせばあなたが何やら悲しい顔をして少し猫じみた背中をむけるのでぎちゃっと音がする縄に体を預けては鈍色のいつしか空になってしまった物を見上げる。

「エーミール」

自身のひゅっという淡白で少しタバコにケガされた息が漏れれば目の前に立つ、肌が白い菓子のように真っ白でどんよりと虫がたかりそうなほど憂いヒトミが不安定にゆらゆらと衰弱した白い海のような白濁眼球を漂っている。楽器でも弾けそうな白く色素の欠けをちた親指がぼこりと異質なもののように浮き出た喉仏を潰すように男性にしては細長い指の腹を押し付けて絞める。

「っ…」

細く息が漏れて空中に彼がよく吸ってたタバコのようにふらふらと空を独り歩きしては霧散して彼は口の端からニヒリズムの言葉を漏らしてはクチの端は弧を描き時折ぴくりと震える手足を眺めては悦に脳を浸らせるかのように足の先で胃袋に体重をかけて空気は喉で停滞して脳が震える。

「エーミール…ほんまええ顔するな」

そう言えば彼は桜のように相手を誑かし騙し取るような優しくふんわりとした笑顔を浮かべてポケットからメスを取り出す。何をするのか検討もつかないが目の前でチラつく刃に本能的な恐怖に溺れて薄く酸素切れの喉から無理やり声を絞り出す。

「や、やめ」

耳もかさず鉄の冷たい光を浴びたメスはだんだん近ずきぶちぶちと手馴れたように目を犯して声も出ずにただどろりとした血が頬に垂れる感触と視界が消えてゆく光景をどこか遠い話のように考えたくて必死に助けを祈る。空洞になった右瞳を満足そうにがは見つめてからもう1つ穴予定地にメスを差し入れて眼球を抉りとるがだんだん麻痺した神経が帰還してきて脳を沈めるような鈍痛がは響く。

「づ…あっ…」

薄い薄い苦痛の声が漏れてやがては大きな声になる。

「あ…あぁぁぁぁぁぁぁ!」

その声に彼は満足そうふふっと笑いをこぼしてからもう何も移さない空虚な白眼にそっとキスを落とした。

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