第5話

中年組 三枚舌
690
2020/09/30 09:10
「アハハハ!単調なAIもいい加減飽きたぞ!お前らも楽しませてくれよ!なぁ!?」

狂ったように笑いながらグルッペンは言うと笑いで起きた音割れ音がおそらく全員のヘッドホンに届く。

「頭おかしいんじゃねぇの……あーこのリア狂が…上等や!」

震えた声でで彼は言う。
おそらく彼は今も画面の前で自分のいる状況に恐怖しながら楽しんでるんだろう。

「ええ度胸や!鬱…一緒に殺ったろうやないか!」

コネシマが思い切り鬱に向かって叫ぶ。
彼の声は緊張か、恐怖…はたまた興奮で跳ね上がってる。

「おい!エミさんそろそろおもろくなるで…!戦闘…いや戦争準備や!」

言葉だけ聞けば余裕とも取られるがゾムの声は少し震えてる。

「ハハ…!上等ですね!やってやりましょう…!」

緊張で少し音程の外れた笑いを喉から絞り出しながら私は言う。

「なぁ!?グルッペンお前もこの人数じゃ勝てへんやろ?」

トントンは4対1の人数差で攻めることで勝利を確信したとでも思うように言う。
だがその時皆の耳に悪魔の声のようなもの…いや悪魔その物の声が響きわたった。

「ア"ハハハハ!確かお前…いや!お前らは!私の仮想敵国だろがぁ?哀れだなぁ?人類は!私を殺そうとするか!?いいだろう!私を殺してみろ!」

そう言いパソコンの画面には

『ドイツがソヴィエト連邦に宣戦布告を行いました』
『ドイツがスカンディナヴィアに宣戦布告を行いました』
『ドイツがアメリカに宣戦布告を行いました』
『ドイツがカナダに宣戦布告を行いました』
という4国への宣戦布告が躍り出た。

「ちょい待て…4国…?あ、クソ!」
  
鬱がいち早く察したのか舌打ちをした。
いないのは…イギリス…つまり。

「フフ…ハハ…アヒャハハハハwwてめぇら散々舐めやがって!お前ら全員潰したりますわ!」

普段からは考えられない高音でケラケラ笑いながら言う。

「は…!?エミさんが…裏切った…つまり連合国は…」

「ハハハ!そんなもの信じてらっしゃったんですかァ?嘘に決まってるでしょう!?」

いまだ笑いながら彼は答える。

「…っ…このクズ野郎!いつからや!いつから結託してたんや!」

コネシマがまるで信じられない…とでもいうかのように大声で言う。

「もちろん初めからだが?…やはり信じられるのは旧友…だなぁ?」

ニヤっとしてるのが画面越しでもわかるぐらい彼の声は悪魔のような響きを含んでいる。

「この…!クソ野郎どもがァァァ!ふざけんなァァ!!」

画面の前で思い切り叫ぶトントンに対して私は答える。

「クソ野郎ってひどいですねぇ?まぁもうすぐにでも跪かせてやりますよ」

「さぁ。せいぜい楽しませてくれよ」

その二人の声が合図だとでも言うように一斉に世界各国にて交戦が始まった。

プリ小説オーディオドラマ