うらたside
んああ〜。ねむ。
今日も仕事か〜。
俺は浦田 渉。
Ωの性を持つ男だ。
この世界には、男女の他に、α、β、Ωの3つの性がある。
まぁ、俺説明下手だから簡単に言うと、αは特別な人、βは一般人、そしてΩは繁殖のための人間。
繁殖のための人種だから男でも妊娠できるんだ。
カラーというのは、首につけるΩ用の防犯グッズみたいなもんさ。
望まない相手と番にならないためのね。
玄関を開けて外に止まってた車に乗り込む。
エンジンをかけてアクセルをふむと車が動き出し、そのまま学校に向かった。
〜学校〜
ガラッと扉を開けてなかに入る。
『え!?渉先生担任なの!?』
きゃーっと女子から悲鳴が上がる。
俺ってこんなに人気あったっけ?
ふと窓際を見ると、赤い髪をした生徒が迷惑そうに眉を潜めていた。
彼はえっと…坂田 優か。成績はあまり良くないな。記憶しておこう。
坂田がこっちを見た。
ペコッとお辞儀をすると、彼はツーンとそっぽを向いた。
初日はとにかくあいつから目が離れなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!