第7話

あなたはどうしたいですか?
999
2022/02/19 15:14
(慎太郎 side)

あのあと、樹の身に何があったのか、どうして今の状況になってしまったのか、俺の気持ちも含めて、すべてを彼女に話した。

それを聞いた彼女は、

蘭「それで、私にどうしてほしいですか?」

そう俺に聞いた。

そりゃあ、もちろん、

慎「この間のきょものように、助けてほしいです。」

そう答えた。でも返ってきたのは厳しい意見だった。

蘭「それで、森本さんは本当にいいんですか?結局慎太郎さんは、過去に縛られて大切なメンバーを助けることができなかったことになりますけど」

図星をつかれ、ドキッとした。

それと同時に、どうしょうもない怒りがこみ上げて、

慎「じゃあ、どうしろっていうんだよ!!俺だって、何度も助けようって思った。でも!お前はオレたちのマネージャーだろ??きょものときと樹のときと何が違うんだよ!!」

マネージャーに当たってしまった。

はぁ〜とため息をついた彼女は、

蘭「私、助けないなんて一言も言ってないですけど。それに、」

こう言って、おれに一つの小さな端末を投げてきた。

蘭「田中さんへの暴言、暴力は音声でも動画でも証拠は掴んでます。」

そういった。

慎「知ってたんなら、なんで……」

そういったときだった。

他四人「慎太郎!!!!」

きょも、こーち、ジェシー、北斗

みんなが俺のもとに駆け寄ってくる。

慎「みんな、なんで……」

大「蘭から聞いたよ。樹助けるんでしょ?」

ジェ「慎太郎は、一人で抱え込みすぎ。俺ら仲間でしょ?不安なことは共有しないと。」

髙「最年少が一人で何でもできると思うなよ??笑」

温かい言葉をかけてくれた。



北「で、慎太郎、まだなんか話聞いてた途中?マネージャーの顔歪んでるけど。」

あ、やべ。

蘭「北斗さん、それは心外です。森本さん、先程の答えですけど、私は別に樹さんを助けなかった訳じゃないんです。ただ、やるなら徹底的にと思って。」

みんながひゅっと息を吸う。

蘭「あの主犯者であろう、先輩ですが、彼は過去に不祥事を起こして、謹慎処分を受けています。でも、なぜそれでいても何も問題なく活動を続けているのか、それは、彼の父が大手プロダクションの社長の息子だからです。彼の気に障るようなことをしたら、仕事にも影響してくるでょう。だから、知ってて知らないふりを他の人もしてたわけです。」

北「その情報はどこから??」

不審げな目をマネージャーに向けた北斗。

蘭「まぁ、昔のつてで、特別に。でも今回の件は決して許されることではありません。これで、彼のアイドルとしての道は絶たれるでしょう。だって彼は」

その後つぶやかれた言葉に衝撃が走った。

蘭「田中さんのお兄さんに、薬を売った張本人なんですから。」






プリ小説オーディオドラマ