さくらside
あなたもキスマかぁ…。
本当は私の方が先に付けて、あなたに見せつけるつもりだったのに…。
私が廊下を歩いていると、休憩室から声が聞こえた。
こんなにも諦めが悪い人、いたんだ。
あなたはさとみさんが好きなのに。それを分かっていてもこんなにも熱が覚めないなんて…。
好きな人にも愛されて、好きじゃない人にも愛される。そんなあなたが少し羨ましかったりする。
羨ましいけど、親友としてあなたの傍で応援していたい。
ーーー
るぅとside
言うんだ。
絶対。
伝える。
さくらさんも言ってたみたいに、言葉だけじゃなくて、。
今度こそ振り向いてもらう。
まずは人目の少ないところに行かなきゃ。
僕はあなたの手を握った。
急に立ち止まると、あなたは少しビックリしている。
あなたの首のキスマが、僕に諦めろと言っている。
それで隠せてるつもり?
あなたを優しくぎゅっとすると、体がほわほわ暖かくなった。
涙が零れる前にその場を離れた。
ーーー
莉犬side
るぅちゃんがあなたさんのことが好きって言った時は少しビックリした。
だって、あんなに顔を真っ赤にしてたの初めて見たから。
でも…
ダメだったか。
涙を拭いながらるぅちゃんが歩いてきた。
もうチャンスはない。
だってあの二人は
もうすぐ、
___結婚するから。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。