第52話

キスマ
4,805
2021/02/18 23:09
さくらside


あなたもキスマかぁ…。

本当は私の方が先に付けて、あなたに見せつけるつもりだったのに…。


私が廊下を歩いていると、休憩室から声が聞こえた。
莉犬
莉犬
えーだめだったのぉぉ?!
るぅと
るぅと
莉犬
莉犬
せっかく呼び出してあげたのに
莉犬
莉犬
ちゃんと好きって言ったの?
るぅと
るぅと
言った
莉犬
莉犬
もう無理かもよ
るぅと
るぅと
でも……
るぅと
るぅと
まだチャンスはあるはず
さくら
さくら
…失恋かぁ
るぅと
るぅと
さくらさん?!
莉犬
莉犬
盗み聞きだぁ!
さくら
さくら
るぅとくんさ、
さくら
さくら
あなたのこと好きなんだ?
るぅと
るぅと
そうですけど…
さくら
さくら
…諦めな
るぅと
るぅと
えっ
さくら
さくら
好きって言ったくらいじゃだめ
るぅと
るぅと
でも僕壁ドンも前にしましt…
莉犬
莉犬
え?!それ俺聞いてない!
さくら
さくら
ふっwそんなの甘い
さくら
さくら
諦めるなら諦めな?私はあっちのカップルを優先的に応援してるから。
莉犬
莉犬
るぅとくんのことも応援してるってことですか…?
さくら
さくら
それはどうかな
さくら
さくら
ま、がんばりな
るぅと
るぅと
るぅと
るぅと
僕、諦めないですよ
るぅと
るぅと
絶対あなたのこと振り向かせます
さくら
さくら
……それをあなたにも伝えられるといいけど



こんなにも諦めが悪い人、いたんだ。



あなたはさとみさんが好きなのに。それを分かっていてもこんなにも熱が覚めないなんて…。



好きな人にも愛されて、好きじゃない人にも愛される。そんなあなたが少し羨ましかったりする。




羨ましいけど、親友としてあなたの傍で応援していたい。





ーーー
るぅとside



言うんだ。



絶対。



伝える。



さくらさんも言ってたみたいに、言葉だけじゃなくて、。



今度こそ振り向いてもらう。
るぅと
るぅと
あなた
あなた
あなた
あ、るぅとくん。どうしたの?
るぅと
るぅと
今ちょっといいですか?
あなた
あなた
うん大丈夫
るぅと
るぅと
こっち来て
まずは人目の少ないところに行かなきゃ。




僕はあなたの手を握った。
あなた
あなた
(どこ行くんだろ…)
急に立ち止まると、あなたは少しビックリしている。
るぅと
るぅと
僕あなたが好き
あなた
あなた
え、でもそれはこの前…
るぅと
るぅと
あなたがさとみさんが好きなのも知ってますし、僕に振り向いてなんてくれないのは分かってます
あなた
あなた
じゃあなんで…?
あなたの首のキスマが、僕に諦めろと言っている。




それで隠せてるつもり?
るぅと
るぅと
諦められない
あなた
あなた
…っ
るぅと
るぅと
僕じゃ…ダメですか?

あなたを優しくぎゅっとすると、体がほわほわ暖かくなった。
るぅと
るぅと
さとみさんが羨ましいです…
るぅと
るぅと
こうやって抱きしめるのだって、毎日できるんだから
るぅと
るぅと
……もう2人の邪魔はしないって言ってたって、さとみさんに伝えといて下さい



涙が零れる前にその場を離れた。
ーーー
莉犬side

るぅちゃんがあなたさんのことが好きって言った時は少しビックリした。
 
だって、あんなに顔を真っ赤にしてたの初めて見たから。



でも…





ダメだったか。
るぅと
るぅと
…っ…グスンっ…

涙を拭いながらるぅちゃんが歩いてきた。
莉犬
莉犬
おつかれ
るぅと
るぅと
莉犬…
るぅと
るぅと
…っ見てたんです、か?
莉犬
莉犬
ごめんね
るぅと
るぅと
……っ


もうチャンスはない。




だってあの二人は




もうすぐ、








___結婚するから。
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作者
作者
そろそろ新しいお話書きたくて、このお話ももうすぐ完結
田中
田中
急だな…

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