ずっと座っていたからか、背中が固まっている。
ぐぅーっと背伸びをすると、体が軽くなった。
さとみさんは、ふふっと笑った。
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ここがビジネスホテルってやつ?
思ってたよりオシャレ。
さとみさんは、鍵を一つだけ手に持っている。
ん? 待てよ。
部屋が……一緒?!
それって色々やばいんじゃ……、
さとみさんは笑いながら私の頭をぽんぽんと撫でた。
ーーー
部屋に入って直ぐに目に止まったのは窓の外に見える満月だった。
振り返ったときに気づいた。
" ダブルベッド "
の存在に。
そう言われて、LINEを開こうとしたとき、" 80 "という数字を見た。
恐る恐る開けてみると、るぅとくんがグルラを荒らしまくっていた。
今日、初めて既読スルーというものをした。
るぅとくんに怒られちゃうだろうか。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。