私が見る方をさくらも振り返って見る。
そう。イチゴカフェに何故かさとみさんが居たのだ。
緊張していて残りのパフェの味なんて覚えていなかった。
見つかってない…よね。
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自分のデスクの上に、さとみさんの印鑑が押された書類が置いてあった。
デザインの宣伝の薄い本を作るということで、私は本の中の写真を貼ったりという作業を行った。
さとみさんが、ページ数を載せて終わる と言っていた。
さとみさんのデスクまで近寄ると、さとみさんも私に気づいた。
私が歩き出すと、さとみさんは私に話しかけた。
さとみさん、今日は話しかけてくれた。
しかも仕事以外の事で。
でも一言喋ったらそこで会話終了。
仕事に関係無いことは喋らないのかなって思ってたけど、そうでも無さそう。
もっとオシャレして行けば良かった。だなんて思いながらデスクに戻る。
今日はこの書類まとめればいいんだな。
仕事に取り掛かろうと、体勢を整える。
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苗字って色々めんどくさいという作者の勝手な理由です。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!