全力で手を動かしていたら、あっという間に全部終わらせることが出来た。
終わった書類を社長のデスクに置いて、私達もみんなの居るお店へ向かった。
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人数の多い私たちは、椅子ではなく畳の上だった。
隣はるぅとくん。
目の前がさとみさん。
さくらは、ななもりさんと向かい合わせだ。
さとみさんは、私にはよく分からないお酒を頼んだ。
お酒片手のるぅとくんが私の肩に顔を乗っけた。
るぅとくんの目はいつもよりもトロンとしている。
私も今からこんな風になるのかと思うと恥ずかしい。
私たちのテーブルはどのお客さんよりも賑やかだ。
それ程仲がいいのかな。
色々話しているうちに、私のビールとさとみさんのお酒が届いた。
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るぅとくんとさとみさんが入れ替わり、私の隣にはさとみさんが座った。
私はさとみさんに近寄りたくなり、ざぶんとんからはみ出て、さとみさんと究極に近ずいた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!