____あれから3週間後。
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生まれて初めて、プロポーズというものをされている。
その言葉と共に向けられる指輪。
いつもと違うことは少し勘づいていた。
夜景も綺麗でステーキも美味しいレストランだなんて、何もないのに誘うわけない。…ということをさくらから教わっていたから。
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結婚式の招待状を配ると、みんな驚いた。
ブリ子はそっぽを向いてどこかへ行ってしまった。
さとみさんは…
社長達に囲まれているみたいだ。
よく見るとその中にブリ子も混じっている。
ぶっきらぼうに答えるさとみさん。
私にはいつもそんなじゃないのに。
もっと照れてる顔が見たくなっちゃう。
私の方がSなのかもしれない。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!