手に汗が滲む。
頬っぺたがボアッと熱くなる。
さとみくんの瞳は透き通っていて綺麗。
でも、その瞳を見ているだけで沸騰しそうになるから目をそらす。
そこまで喋ると、私の唇に人差し指がちょこんと触れた。
大人っぽくて、仕事もできて、みんなから好かれてる。
そんなさとみさんが、
頬を赤くして、私に "好き" と伝えてくれた。
そんなのOKに決まってる。
____飛びっきりの笑顔でそう言った。
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今日はめちゃくちゃ気分がいい。
私も今日から「彼氏いる」と言える。
クールなさとみさんは、いつも通り、パソコンと睨めっこしている。
大丈夫。
私はもう、誰がどう言おうと、さとみさんの彼女なんだから。
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お弁当を広げながら聞く。
こうなってあーなってこうなったということを伝えた。
私も今日から リア充。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!