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大量の仕事を終わらせ、やっと家に帰れる。
さくらはそそくさと帰ってしまった。
私が鈍感すぎるのが駄目だ。
それに、直ぐに話してたこと言えばよかった。
さくらのこと、不安にさせちゃった…。
そとのたん、私の目から雫がこぼれ落ちた。
職場に誰も居なくてよかった。
さとみさんは優しく私の背中をさする。
いつもより距離が近いからか、香水の香りがいつもよりも伝わってくる。
さとみさんは私の頬に流れている涙を親指で拭った。
さとみさんは、"どうした、暗い顔して" と言って私の背中をさすっていたけど、最初から知ってたんだね。
その優しいやり方に、胸がじんと熱くなった。
さとみさんは、ずっと私に寄り添ってくれた。
やっぱりさとみさんは優しい。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。