第10話

急接近
5,770
2021/01/10 23:56
ななもり
ななもり
ごめんね、急に
あなた
あなた
全然大丈夫ですよ
ななもり
ななもり
…あなたちゃん、何か困ったことない?
あなた
あなた
え?
ななもり
ななもり
ごめん、俺聞いちゃったんだ。るぅとくんとあなたちゃんが話してるの
あなた
あなた
(そりゃ、隣の席だもん聞こえるよね)
ななもり
ななもり
だから、さとみくんのことで何か悩んでて、誰にも言えないのかなって
ななもり
ななもり
そしたら俺に相談して欲しい
あなた
あなた
ありがとうございます
あなた
あなた
でも、何も悩んでないので大丈夫ですよ
ななもり
ななもり
…それならよかったけど、、
ーーー
あなた
あなた
(ふぅー、やっと帰れる〜)
大量の仕事を終わらせ、やっと家に帰れる。
あなた
あなた
さくら、帰ろ〜
さくら
さくら
………
あなた
あなた
さくら
さくら
私見ちゃった
あなた
あなた
…なにが?
さくら
さくら
ななもりさんとあなたが話してるとこ
あなた
あなた
うん……?
さくら
さくら
私がななもりさんのこと好きなの知ってるくせに、酷いっ
あなた
あなた
(え?そうだったのぉ?!)
さくら
さくら
あんな人のいない所で話すなんて、絶対仕事の話じゃないでしょ
あなた
あなた
確かに仕事の話じゃないけどね、話してたのは、
さくら
さくら
もう知らないっ
あなた
あなた
さくらはそそくさと帰ってしまった。



私が鈍感すぎるのが駄目だ。


それに、直ぐに話してたこと言えばよかった。



さくらのこと、不安にさせちゃった…。
さとみ
さとみ
暗い顔して、どうした
あなた
あなた
さとみさん……!
そとのたん、私の目から雫がこぼれ落ちた。


職場に誰も居なくてよかった。
さとみ
さとみ
(ナデナデ←背中さする
あなた
あなた
っ…ゴ、ごめんなさい…ッ、、なんでもないんです
さとみさんは優しく私の背中をさする。
いつもより距離が近いからか、香水の香りがいつもよりも伝わってくる。
あなた
あなた
ただ、私が…ッさくらと、喧嘩しちゃっただけ…なので…ッ
さとみさんは私の頬に流れている涙を親指で拭った。
さとみ
さとみ
あいつも早とちりしすぎだと俺は思う
あなた
あなた
…え?
あなた
あなた
(どうして話してたこと知ってるの?)
さとみ
さとみ
…ごめ、話聞いてた
さとみさんは、"どうした、暗い顔して" と言って私の背中をさすっていたけど、最初から知ってたんだね。



その優しいやり方に、胸がじんと熱くなった。
さとみ
さとみ
あなたは悪くないよ

さとみさんは、ずっと私に寄り添ってくれた。




やっぱりさとみさんは優しい。
ーーー
さとみ
さとみ
帰ろっか
あなた
あなた
はい…!

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