カレパが終わってから約1週間が経つ。
さとみさんとはいつも通りだ。
つまり、何も進展していないってこと。
何か変わるかどうかは分からないけど、今日は早起きして、いつもより早い電車で行くことにした。
電車に揺らされていると、LINEの音が鳴った。
いつもは、さとみさん&るぅとくん&私 のグルラで挨拶してるはずなのに、今日は私とさとみさんだけの個チャで挨拶。
電車の椅子で、スマホに夢中になっていて周りを見ていなかった。
顔を上げてみると、向かい側の椅子にさとみさんがスマホを持って座っていた。
よし。明日から毎日早起きしよ。
会社近くの駅に着くと、電車のドアが開いた。
ぞろぞろとたくさんの人が電車に乗ってきた。
ここから降りようとしても人に潰されてしまいそうだ。
私の手はさとみさんの大きな手で包まれた。
手を繋いでいるおかけで、私が人に潰されることなく電車から降りることが出来た。
" 手、繋いでる "
ふと我に返ると急に恥ずかしくなった。
その勢いで手を離してしまった。
そう言ってまた手を繋ぎ直した。
早起きしてよかった。
少し努力するだけで、いい事が起きるということを知らされた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。