第7話

なつ、ありがとう。
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2018/03/04 23:03
卒業式まであと2週間。

先輩が卒業しても、私たちは今のままの関係でいられるのかな?

先輩は、卒業したらどこかに就職するらしい。
どこか、っていうのは、教えてくれなかったけど…

私は、なつにも先輩とのことを隠したまま、ここまで来てしまった。
だから、相談できない。
先輩が卒業しちゃうのに、私は何もできない。

嫌だな…

どうすればいいの?
なつ
さくら?
どーした?
さくら
あ、別に!
何もしてないよ!笑
なつ
ふーん。
何かを察したように、なつはニヤけて言った。
さくら
なに??
なつ
知ってたよ。
さくらとあの先輩のこと。
さくら
え?
びっくりした。
言ってないのに、なんで?

もしかして、一緒にいるとこ見られた!?
なつ
私が知らないとでも思った?笑
さくら
なんで知ってるの?
なつ
そりゃ、あたりまえでしょ!
いつから一緒にいると思ってんの、私たち。
私となつは幼なじみ。
保育園からずっと一緒。

そう考えたら、なんで私、なつに隠してたんだろ…

私はうつむいた。
なつ
最初から分かってたよ。
絶対好きだなって。
私が嫌がってたのは、親友取られるのが嫌だったから。笑
さくら
なつ…
ありがと。
なつ
いーから!
あと2週間は、先輩と過ごしな?
先輩卒業したら、ちゃんと私とも仲良くしてよ?笑
さくら
なつ、ありがと!
行ってくる!!
私は走った。
走って、先輩のところに行った。


なつ、ほんとにありがとう。

私はなんていい親友を持ったんだろう。
私が恋した相手が女子だとしても、なつは優しく受け入れてくれた。
さくら
ひなた先輩!
ひなた
さくら。

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