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第1話

プ ロ ロ ー グ
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2019/03/17 09:18
『 もう卒業式だね 』

黒板の隅のカウントダウンを見ながら、悠稀が呟いた。

『 そうだね〜 』

いつも通りの明るい笑顔を輝かせながら彩月もそう言った。


『 はや、すぎない? 』

泣き虫のこころはまた泣きだしそうな顔をして言った。




私は、ただその会話を聞いていた。








黒板の隅に書かれたカウントダウン。
そこに書かれた数字は__




【 卒業式 まで あと 1日 !
あした は とうとう 卒業式 ですね 】


担任の西浦先生が書いた、いつも通りの
綺麗な字の中に、悲しさがあらわれる、
らしくない震えた字だった。

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