第8話

家が…
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2019/05/01 15:56
あなた

な、何これ…

家に入り、リビングに行くと部屋中が荒らされていた。

まとめておいた書類はボロボロに。

服もクローゼットからグシャグシャに出されていた。


私は全身が震えていた。

わけが分からなかった。
テオくん…じんたんっ…
私はスマホを取りだした。

そしてテオくんに電話した。
寺島 テオ
寺島 テオ
ん?どした?
あなた

テオくんっ…助けて…グスッ

寺島 テオ
寺島 テオ
今すぐ行くからなっ!
数分後テオくんとじんたんが駆けつけてきてくれた。
寺島 テオ
寺島 テオ
大丈夫か?!
あなた

テオくんっ…!

私はテオくんに抱きついた。

怖い

怖い
藤枝 仁
藤枝 仁
なんだこれ…
寺島 テオ
寺島 テオ
酷いな…怖かったな、よしよし
テオくんは優しく背中を摩ってくれた。

暖かくて大きな手が私を安心させた。
寺島 テオ
寺島 テオ
家に来たらこうなってたの?
あなた

そう。私がいない間に誰かがっ…グスッ

怖くて涙が止まらない。

それをテオくんはしっかり受け止めてくれた。
寺島 テオ
寺島 テオ
よしよし。もう泣くな?
俺らがいるから。
あなた

…うんっ

テオくんは私の頬に手をあて、涙を拭ってくれた。
藤枝 仁
藤枝 仁
ねぇ!これ…
じんたんの方に行くとそこにはもっと酷いことがされていた。
あなた

そ、そんなっ…

そこには私の大事な宝物。

お母さんの写真が破られていた。


動画でも言っていて、私のお母さんは幼い頃に病気で亡くした。

お父さんは一昨年亡くなった。

それで一人暮らし。
私は破られた写真の破片を1つずつ拾った。
あなた

ふっ…んっ…グスッ…

また涙が溢れてきた。

もう怖い。
それに気づいたテオくんがしゃがみこみ、私の背中を黙って摩ってくれた。
藤枝 仁
藤枝 仁
いったい誰がこんなことを…
藤枝 仁
藤枝 仁
とりあえず最低限の物だけを持って行こう
寺島 テオ
寺島 テオ
そだな。服とかは貸してあげるから
あなた

コクッ

頷くことしかできない。

勝手に家に入られて、荒らされて。
それからじんたんが警察に電話した。

テオくんと私で最低限の物を持ってスカイハウスに向かった。

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