衣装の打ち合わせもしてメイクもした。
最初はオレンジ色の華やかなドレス。
次は4曲全て青色のドレス。
最後の「ありがとう」で赤色のドレス。
曲と曲との間には少し雑談もする。
観客は立ったり座ったりできるからいいかも!
そして30分前。
講師の方が私の肩をぐっと押す。
客席をちらっと見る。
既に客席は満員で私の名前が書いてあるパネルも見えた。
ちなみにオレンジの衣装はこれ↓↓↓
一発目から結構ド派手w
でもこれが一番マリーゴールドの花っぽかったの。
あっという間に30分が経ってしまった。
もう本番。
皆で円陣を組む。
ステージが暗闇に変わり観客が叫ぶ。
暗闇の中私はステージに立ち、マイクを持って言った。
私にスポットライトが当たり、リメンバー・ミーを歌う。
みんなのペンライトがオレンジに変わり、綺麗に揺れる。
それが感動的で涙が出そうになる。
やっと歌い終え、急いで青のドレスに着替える。
私は急いでステージ上に。
それから少し雑談。
でも客席を見てると明らかにいる。
いるよね。
愛花ちゃん!
もう、最高だね。
照明が一気に暗くなり、私はピアノに座る。
そして弾き始める。
この曲も終わり、「あなたに贈る歌」も無事に歌えた。
きっとお母さんもお父さんも聴いてくれてる。
次は少し苦手な「たばこ」。
でも絶対に上手くいく。
そして私のイヤホンだけに聞こえる微かなメトロノーム。
カチッカチッ
せーの。
これも無事に歌い終えた。
続いてはH.A.N.A.B.I.。
この曲は私が初めて作詞作曲した歌。
サビになるとドレスに花火が映る。
凄いよね。
これも歌い終え、ラストの曲に。
観客がざわざわしてる間に赤のドレスに着替える。
私は急いでステージに出る。
綺麗なヴァイオリンから始まる歌。
気持ちをわかってくれる仲間。
支えてくれる仲間。
あなたたちの笑顔は私の宝物。
ありがとう。
するとペンライトで返事するように返してくれる。
私はステージ裏に戻った。
すると講師の方が抱きついてきた。
誰だろう…。
リスナーとか?
んなわけないよねw
愛花かな…?
んー、わかんない。
テオくんは来てなかったしなぁ…
ちょっと悲しくなった。
多分だいぶ悲しい。
私の頬には涙が流れていた。
メイクが落ちないようにそっと拭った。
テオくんが私に抱きついてくる。
テオくんと私の唇が重なった。
この後、衣装も脱いでメイクはしたまま私はステージに立った。
開放感があった。
成功したんだ……!
スカイピースもいた。
愛花も。
私はそう呟いて会場をあとにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。