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第2話

可愛くなるための第一歩
───昼休み。

親友の桜庭 杏さくらば あんと教室の隅っこでパンをかじる。
桜庭 杏
桜庭 杏
それで?
スカウトして来た2年生には
まだ返事、保留にしてるの?
文化祭まであと2ヶ月。
プリンセスコンテストの応募締切まであと1週間。

双子から突然スカウトされてから、はや3日。
私はまだ、悩んでいる。
松田 結々花
松田 結々花
う、うん。
だってプリンセスコンテストだよ?
私なんか……
そこまで言って、ハッとしたのは、双子からネガティブな言葉を禁止されたことを思い出したから。

『ネガティブ思考禁止』
『明るい気持ちでいることだけ意識しろ』

……なんて。そんなこと言われても無理だよ。
桜庭 杏
桜庭 杏
でも、私は結々花ちゃんにとって
めっちゃ良い機会だと思うな〜!
松田 結々花
松田 結々花
そ、そりゃ私だって
杏みたいに可愛かったら……
入学したばかりの頃、周りに馴染めずにいた私に1番に声をかけてくれたのが杏だった。

オシャレが大好きで、明るくてポジティブな杏は私とは正反対で、初めは戸惑うこともあったけど、今ではすっかり、なくてはならない存在だ。
桜庭 杏
桜庭 杏
結々花ちゃんもオシャレして
可愛くなればいいんだよ!
桜庭 杏
桜庭 杏
それに、結々花ちゃん、
元は私より遥かに良いから。
絶対、磨けば光る!
杏はワクワクと目を輝かせて、パンを片手に、持っていない方の手でガッツポーズをして笑った。

***


【放課後】


───とは言え。

自信なんて、そう簡単につくはずもなく。

可愛い子が沢山出場するであろうプリンセスコンテスト。しかも、文化祭ってこともあり、他校性や地域の方々も自由に見ることができるステージにイベントだ。

考えただけで足がガクガク震える。
中条 光
中条 光
ゆゆちゃ〜ん!
松田 結々花
松田 結々花
……っ!?
中条 光
中条 光
今日こそ、返事聞かせて
杏と教室から出て生徒玄関へ向かおうとしていた私を、後ろから呼び止めた声。
松田 結々花
松田 結々花
ひ、光くん……っ
中条 唯月
中条 唯月
まさか、まだ悩んでるなんて
言わねぇだろうな?
松田 結々花
松田 結々花
い、……唯月、くん
桜庭 杏
桜庭 杏
え……!?う、嘘!!
もしかして結々花ちゃんを
スカウトして来た2年生って……
中条 光
中条 光
俺たちでーす
突然現れた双子に、隣で分かりやすく慌てだした杏。
桜庭 杏
桜庭 杏
私、光くんが
すっっっごいタイプで……!
中条 光
中条 光
本当?嬉しいなぁ〜
でもごめんね?今は恋愛には
桜庭 杏
桜庭 杏
あ、大丈夫です!
アイドル感覚なので、
全く恋愛対象じゃないです
中条 光
中条 光
えっ
一瞬、驚いた顔をした光くんに、杏はニコリと微笑む。

でも確かに、こんなにカッコイイと杏の言い分も分かる。恋愛感情ってよりは、ファンの心理っていうか……。
中条 唯月
中条 唯月
んなことより、結々花。
お前はどうする?
松田 結々花
松田 結々花
ど、……どうって言われても
中条 唯月
中条 唯月
また私なんか……か?
松田 結々花
松田 結々花
っ、
中条 唯月
中条 唯月
自分が変わりたいと思わない限り、
一生変われねぇぞ
そう言って、痛いくらい真っ直ぐ私を覗き込む唯月くんの瞳。その瞬間、私の心臓がドクンッと大きく波打つのを感じた。

だって、……心のどこかでいつも、オシャレで、可愛くて、キラキラしたみんなのことが羨ましかったから。

───「ブス」

過去のトラウマにずっと捕らわれたまま、前に進めない自分を悔しいと思ってるから。

変われるかな?
……少しでも、前に、進めるのかな?
松田 結々花
松田 結々花
わ、私……
可愛く……なりたい───。
松田 結々花
松田 結々花
こ、コンテスト……で、出ます!