無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第10話

デートなんて聞いてない!
───今日は終業式。

高校一年生の一学期は、あっという間に過ぎ去って、気付けば夏真っ盛り。

明日から、楽しい夏休みが始まろうとしている。
松田 結々花
松田 結々花
い、唯月くん!
終業式が終わって、生徒玄関から校門までの距離を走る。

私の声に、振り向いた唯月くんは、私に気付くと立ち止まり小さく首だけ傾げてみせる。
松田 結々花
松田 結々花
唯月くんが毎日勉強教えてくれた
おかげで赤点無事に回避できたよ
松田 結々花
松田 結々花
ありがとう!
英語を教えて欲しいと頼んだあの日から、唯月くんは本当に毎日、私に英語を教えてくれた。

教え方もとっとも分かりやすくて、自然と耳に入ってくる唯月くんの声で再生された単語は、なぜかすんなり覚えられた。
中条 唯月
中条 唯月
当たり前だろ。
あんだけ勉強したんだから
中条 唯月
中条 唯月
夏休みはメイクについて
しっかり勉強しろよ?
休み明けは自力でメイクしてくること
松田 結々花
松田 結々花
……うっ、難しい宿題。
でも、が、頑張ります!
なんだろう。
最近少し、毎日が楽しい。

ひとつずつ埋まっていくパズルのピースみたいに、私に欠けてるものが、本当に少しずつ満たされていくような感覚。

……もっと、頑張ろうって。
もっと、可愛くなりたい。そう思える。
***
松田 結々花
松田 結々花
ん?
───夜。

ベッドの上でくつろいでいた私に、突然届いたメッセージ。

【中条 光:ゆゆちゃん、18日って空いてる?もし良かったら一緒にショッピングに行こうよ😎俺が似合う服、探してあげる!】
松田 結々花
松田 結々花
ショッピング?
松田 結々花
松田 結々花
そういえば、
最後に服を買ったの、
……いつだろう?
光くんらしい文面に、光くんらしい絵文字。
明日から始まる夏休みに、ほんの少し浮かれている自分。

メイクの勉強だけじゃオシャレにはなれないし。せっかくだから、光くんに似合う服を探してもらうのも悪くないかもしれない。
松田 結々花
松田 結々花
行きたいです……と。
えい!送信!
***

───18日。
今日は約束のショッピングの日。

てっきり勝手に光くんと、唯月くんと私、3人だとばかり思っていたのに、待ち合わせ場所に唯月くんの姿はなく。

甘いスマイル全開の光くんに『今日は俺とデートしよっか』なんて言われてから、早数時間。

デートなんてしたことがない私はとにかく緊張してばかり。

オシャレなカフェで美味しいパンケーキをご馳走になったり、デパートでは可愛いワンピースを選んでもらったり。
中条 光
中条 光
よし!
そのまま……ゆっくり、
中条 光
中条 光
っしゃー!取れた〜!
松田 結々花
松田 結々花
す、すごい!
光くん、1回で取っちゃった
中条 光
中条 光
デートと言ったら
UFOキャッチャーだよね!
はい、ゆゆちゃんにあげる
デートと言ったらUFOキャッチャー……。
そ、そういうものなのかな。

差し出されたモフモフうさぎのマスコット。
控えめに手を差し出せば、光くんはそっと手のひらに乗せてくれた。
松田 結々花
松田 結々花
もらっていいの?
中条 光
中条 光
もちろん!
ゆゆちゃんのために取ったんだし
松田 結々花
松田 結々花
ありがとう!
大事にするね
中条 光
中条 光
ふっ、やっと緊張解けたね?
やっぱゆゆちゃん笑顔が可愛い
中条 光
中条 光
今日は独り占めしたくて、
唯月は誘ってやらなかった
松田 結々花
松田 結々花
……っ、
「べっ」と舌を出して、冗談っぽく笑う光くんに、どこまで本気なんだろう?と恥ずかしさが込み上げてくる。
中条 光
中条 光
帰ったら、ゆゆちゃんとのデート
嫌ってほど唯月に自慢してやろ〜
松田 結々花
松田 結々花
ひ、光くん
中条 光
中条 光
俺こう見えて、
唯月より意地悪だから
イタズラっ子でヤンチャな光くんの笑顔に、つい私まで笑ってしまう。

私とのデートを自慢されたところで、唯月くんは興味なさそうだけど。なんて思ったら、ほんの少し胸がチクッとした。