無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第15話

唯月くんの魔法の手
……ど、ど、どうしよう。

志賀先輩のこと、好きかもしれないと思った瞬間から意識して止まらない。

見かける度にドキドキして、目も合わせられなくてなって、
桜庭 杏
桜庭 杏
あ、ほら!結々花ちゃん。
体育終わりの志賀先輩と、唯月くん
松田 結々花
松田 結々花
ひえっ、
桜庭 杏
桜庭 杏
なにその反応……
松田 結々花
松田 結々花
だ、だめなの……志賀先輩のこと、
意識しすぎて、普通に接せられない
桜庭 杏
桜庭 杏
……なるほどね。
結々花ちゃん!
やっぱり、それは恋だね!
パァ!と嬉しそうな顔で私を覗き込む杏に、半泣きの私。

……やっぱり、これが恋なんだ。
恥ずかしくて、苦しくて、どうしていいのか分からない。
志賀 悠燈
志賀 悠燈
よ、松田!
おつかれ〜
松田 結々花
松田 結々花
───!
知らないうちに、すぐ前まで来ていたらしい志賀先輩に声をかけられて飛び上がる。
志賀 悠燈
志賀 悠燈
何、そんな驚いて。
移動教室?
松田 結々花
松田 結々花
あ、はい!次、音楽で。
先輩たちは、体育だったんですね
志賀 悠燈
志賀 悠燈
そう、唯月の大活躍で
サッカーの試合、勝ったんだよ
志賀 悠燈
志賀 悠燈
な、唯月
中条 唯月
中条 唯月
……別に俺の活躍じゃ、
志賀 悠燈
志賀 悠燈
勉強もスポーツもできるんだから
嫌味な男だよね、全く
桜庭 杏
桜庭 杏
中条兄弟は基本、
嫌味ですからね
志賀 悠燈
志賀 悠燈
確かに、それは言えてる
ハハッと笑う志賀先輩からは、本気でそう思ってるわけじゃないのが伝わってくる。

それにしても唯月くん、スポーツもできるんだ。……もはや、唯月くんに不可能なことってないんじゃないの?
***

───放課後。

今日のメイク講座には、光くんも参戦するとは聞いていたけれど……。
中条 光
中条 光
気持ち、伝えたら?
中条 光
中条 光
ほら、気持ちを伝えた方が
意識してもらいやすくなると思うし
かれこれ15分。
これじゃ、メイク講座じゃなくて恋愛講座になってしまいそうだ。
松田 結々花
松田 結々花
……で、でも!
私なんかに好かれてるって知ったら
志賀先輩……なんて思うかな?って
松田 結々花
松田 結々花
それなら、今のまま後輩として
たまにお話してもらえるくらいで
……私にはちょうどいい。
そう思う気持ちに嘘はない。
松田 結々花
松田 結々花
それに……私、
───『ブス』。

耳を澄ませば聞こえてくる気がする、あの日の声。幼いながらに、すっごく傷ついた言葉。

……私なんかじゃ、志賀先輩には釣り合わない。
片想いするのもおこがましいくらい。
中条 唯月
中条 唯月
はぁ
中条 唯月
中条 唯月
……こっち来い
不意に、唯月くんの大きなため息が聞こえたかと思えば、私の手を引いて自分へと引き寄せた。
松田 結々花
松田 結々花
い、唯月くん……?
名前を呼んでも、返事はないけれど。

代わりに、唯月くんの優しい手が私の髪に触れるのを感じながら、ドキドキと高鳴る胸を誤魔化した。
中条 唯月
中条 唯月
俺たちのプリンセスなんだろ?
もっと自信持て
松田 結々花
松田 結々花
……っ、唯月くん
中条 光
中条 光
唯月が珍しく熱いこと言ってる
中条 唯月
中条 唯月
うるせぇ
中条 唯月
中条 唯月
……これでもう、
"私なんて"、は禁止な
そう言って、唯月くんが見せてくれたのは鏡に映るゆるいハーフアップヘアの私。

す、すごい……たったこれだけなのに、私じゃないみたい。いつもよりずっとオシャレに仕上がってる。
松田 結々花
松田 結々花
唯月くんの手……
中条 唯月
中条 唯月
俺の手?
松田 結々花
松田 結々花
うん、唯月くんの優しい手は、
いつも魔法みたいだね
中条 唯月
中条 唯月
……魔法って。夢見すぎ
そう言って笑ってくれる唯月くん。

だけど、本当にいつも私を可愛くしてくれる唯月くんの手は魔法みたいなんだもん。

だから、唯月くんありがとう。