第41話

No.40
2,267
2018/02/27 08:21
〈あなた〉
あなた

っ…っ…

あなたは腰が抜けて


座り込んでしまった。


涙を止めようと必死に吹いても拭いても


止まらなかった。
窓からは夕日の光が差し込み


オレンジ色に輝いている。
失恋だよ…
あなた

うぅ……

目を抑えた時。








ぎゅっ…












玲於クンが背後から


抱きしめてくれた。
あなた

玲於…クン…?

佐野玲於
佐野玲於
もう泣くな。
俺が側にいてやる
帰ったんじゃ…?


そんな事も思ったが今は失恋が辛くて


そんなことは考えなかった。
後から回してくれている手に


あなたは手で掴み
あなた

玲於…クン…
うぅ…

佐野玲於
佐野玲於
大丈夫だ。
頭を撫でてくれた。
玲於クンが前に来て
佐野玲於
佐野玲於
泣きたい時は泣け。
俺がついてる。
あなた

玲於クンなんでそんなに
優しいの…

いつもはドライなのに


優しくされると好きになっちゃう。
佐野玲於
佐野玲於
ギャップってやつ
あなた

なんだそれ…

なんか玲於クンといると自然に笑顔になれる。
玲於クンはニコッと笑って


あなたの頬に付いている涙を


親指で拭き取った。





すると、
女子
忘れ物〜
忘れ物〜
誰かが忘れ物を取りに来た。
あなた

え…?

佐野玲於
佐野玲於
あなたこっち…
手を引っ張って


黒板の前の机の下に隠れる。


その中は大人二人がぎりぎり入れる広さで


肌と肌が触れ合う。
この瞬間もドキドキしてしまう。


何故だろう。
横を見ると口と口が触れ合いそうな距離。
玲於クンは忘れ物を取りに来た子の様子を


見ていてこっちは見ていない。
佐野玲於
佐野玲於
もうすぐ行くか…
あと少し…我慢し…
と言ってこっちを振り返った時。


たまたまあなたが玲於クンを


見ていたら顔との距離が3センチ。


いや、3センチもないかぐらい。
あなた

っ…/////

佐野玲於
佐野玲於
っ…/////
わりぃ…/////
目を逸らす。


その下の頬は真っ赤で


その時とても可愛く見えた。
あなた

ふふ…

佐野玲於
佐野玲於
何笑ってんだよ
あなた

可愛く見えて…

佐野玲於
佐野玲於
俺男な。
あなた

うんw
玲於クン立派な男の子だよ

佐野玲於
佐野玲於
っ…/////
また、照れた。
佐野玲於
佐野玲於
ごめん。
俺言うわ。
あなた

何…

佐野玲於
佐野玲於
お前のこと好き
突然の告白。
あなた

へ!?
嘘でしょ?

佐野玲於
佐野玲於
嘘じゃない。
その真剣な眼差し見ていると


嘘ではないことが分かった。
でも、ここでいいよと


決断してはあなた心の整理をつけてない。
全てスッキリしてから


玲於クンと付き合いたい。


今ではそんな感情になってしまった。


側でいつも支えてくれたのは玲於クン。


辛い時いつも隣にいてくれて


とっても安心する存在。


涼太クンとは違うドキドキ。


たまに照れて真っ赤になるところも


愛しくて仕方がない。
あなた

涼太クンとキリを付けてから
返事するね…

佐野玲於
佐野玲於
そうだな。まってる
二人は教室を出て
















オレンジの夕日に背中を










照らされながら歩く───────。


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