〈あなた〉
花火大会当日。
涼太クンと待ち合わせしている場所で
待っていた。
髪の毛も美容室でセットしてもらった。
カバンに入っている鏡を取り出して
自分の顔をチェックする。
ところが、
10分…
20分…
涼太クンが来ない。
人がさっきまではゾロゾロ
たくさん登っていったけど
もうすぐ始まるからか
数人しかいない。
間に合うように走っていく人もいる。
【プルプルプル…】
電話に出た。
え…?
それ以上聞きたくなくて電話を切った。
あなたの涙が止まらない。
その場に座り込んで泣いた。
せっかく玲於クンが
選んでくれたのに…
聞きなれた声。
玲於クンは男子友達と来ていた。
男子友達は先に登っていった。
玲於クンがあなたのいる
目線になってくれた。
え…?
玲於クンは立ち上がって
玲於クンは顔を赤くして言った。
そういった瞬間
玲於クンがあなたを抱きついてきた。
突然の告白。
空には大きく綺麗な花が
打ち上げられた───────。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。