カリカリと言うシャー芯が削れる音。
そう思い席を立つと、どこぞのクラスメイトに前を囲まれた。
ドスの効いた声で、荒れた口調で喋る。
が、次の言葉は
「ねぇ、今までごめんね。」
だった。
いつも通り暴言を吐くのかと思いきや、急にペコりと詫びを言って来た。
予想だにしなかった展開。
あいつらの事だからてっきり開き直ってるのかと思ってた。笑
いつもだったら許しはしないけど……
変にまたいじめられても困る。
──なんとか見せかけの仲直りには成功出来たっぽかった。
そう言い、私は再び席を立った。
はぁ……余計な事に時間を使ってしまった。
早く日誌を届けなければならないのに。
そう言い手に持っている日誌を差し出す。
────この時、私は見逃さなかった。
警察と教師たちが、やけに騒がしかったことを、見逃しはしなかった。
もうそろそろ「ネタばらし」の時間かな?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!