第26話

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2018/12/01 03:06
過去の話。

キラちゃんとカナタだけの。

わたしは、その中に

存在しない。

でも、存在しないからこそ。

彼はわたしを必要としていて、

わたしに会いに来る。

ただの息抜き。逃げ場だとしても、

好きな人と一緒にいられる。

それだけで嬉しい。

それだけでいい。

そう思ってしまう。

恋は理屈じゃない、

この気持ちは、正義とか誠意のひと欠片も

ないかもしれないけれど、

好きなきもちに

嘘はない。


いつしか気づいていた。

わたしたちは、

不毛で

終わりのない

くだらないループの中にいる。

みんなズタズタに傷つき合いながら。

傷つけ合うのではない。

傷つき合う。

とても不器用で

とても幼いわたしたち。

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