#カナタside#
言えないことだらけだ。
言えないだけじゃなく
身動きすらできない。
いつまで
縛られているのだろう。
誰かに助けを求めようなんて
今更思わない。
自業自得で
こうなった。
因果応報だから。
キラを、嫌いになれない。
キラを、憎めきれない。
それは、キラが全てを知っているから?
それだけじゃない。
キラからは
俺と同じ匂いがする。
常に後悔しているくせに
前にすすめない。
それどころか
明るい方が怖くて
前すら向けずにいる。
傷の舐め合いとは違う。
一緒の泥沼で
泥団子をぶつけ合って
笑っている。
楽しくなんかないくせに。
先にはすすめない。
絶対に。
キラが、飽きるまで
キラの気がすむまで。
オレはそばにいる。
絶対に。
何があっても。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。