水面に自分の顔が写った。髪は長く、女の姿の。
このまま……どうしてしまおうか。水に溺れてしまったら楽だろうか。俺はいつ……男になれるのか。
もううんざりしてしまった。いっその事死んでしまった方が……もう、助けなど来ないのだろうか…。
その時、風が吹いた。あれ…もしかしてこれ…
後ろから声が聞こえてきた。これ…男の…!
後ろを振り向くと男子高校生がいた。見られた…!
男ってバレた?!いや普通におかしいし男物の下着とか!もろもろ考えてるうちに相手のことを睨みつける。
つい小声で確認した。ば、馬鹿だ俺…。見たに決まってるし…
キョトンとする相手。わ、分かってるだろ絶対…!ついパニックになる。そうだ、こういう時女はだいたい……!
ついパニックになって大声になる。だって…だって…!
何言ってんのこいつ?!意味わかんないし!
飄々とした顔で即否定してるけど……いやいやいや…!明らかに変態…いや違くても変人!
そんな変な会話をしていたら彼が時計を見る。
あーもう…。本当に居なくなったし……。
死ぬかとか悩んでた時なのに、本当に馬鹿らしくなってきて……
…………また会わなきゃ行けないじゃん。
まだまだ……死ねないなぁ…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。