今日は久しぶりの非番となりいつもより
ゆっくりとした時間に目を覚ました
下に降りると母さんが朝食を作っている最中だ
そう言って脱衣場の端の洗面台へ
いつもの顔を洗っていると内から声が
俺からの問いにカゲロウは一瞬黙った
さくらとカゲロウの関係、、
少し考えてみると一つのことが浮かんだ
だがそれは俺にとっては都合の悪いこと
カゲロウは俺の言葉を聞いて舌打ちをし
"ケチな奴"と置き土産を放って拗ね静かになった
俺から事の状況を聞いて兄ちゃんは笑い出した
先まで静かだったカゲロウが兄ちゃんの言葉に反応して俺と変わった
よほど、可愛い。と言われたのが気に入らなかったのが
浴場の中まで兄ちゃんを追いかけ回した
戻りが遅い俺たちを引き連れにきたのかそこへ
さくらが入ってきた
兄ちゃんからのヘルプにさくらは呆れながらも浴場の入り口に立ちカゲロウを呼び止めた
その言葉とさくらの剣幕に
負けたカゲロウは静かに俺と
変わってくれた
俺はリビングに戻りながら事の始まりを説明した
俺の適当な説明でみんな理解してくれるのが助かる
だが、その説明を聞いてカゲロウは再び出てこようとする
俺は心の中で
(さくらのカレー食べれなくなるぞ)
そう念を押し抑えた
カゲロウと俺。どちらも着れる服を探そうと思ったが
さくらと兄ちゃんもついてくるとなると
賑やかな買い物になるな。そう思ったが
もし急にカゲロウと変わっても2人がいれば何となるし
周りにも怪しまれず歩けると、思った
自然と口元が微笑んでいた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。