第13話

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2019/07/09 10:00
あなたside

「お世話になりました」

「1人でこれから大丈夫かい?」

「はい。本当に大家さんには何から何まで良くしてもらって....」

「ご両親が亡くなってから、大変だったからね。」

「今までありがとうございました」

「我が子が巣立つ気分だよ(笑)またいつでも戻っておいでね」

「はい!またあっちでの生活が落ち着いたら」

「それじゃあ元気でね!」

「はい!大家さんも!」

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蛍side

ピンポーン

「あら、蓮華ちゃんのお友達?」

「はい。そうですけど....」

「蓮華ちゃんなら今日の朝引っ越してったけど....」

「そうなんですか.......?」

「友達に言ってなかったのかね??」

「引越し先の住所ってご存じですか?」

「それが私もそこまでは聞いてないんだよ」

「そうですか........ありがとうございました」

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あなたside

これからはこの子と2人で生きていく。

絶対父親が誰かは言わない。

誰も私を知らない土地で生活する。

頑張ろう.......

泣かないって決めたはずなのに....

蛍や菅原さんや烏野のみんなの顔を思い出して涙が溢れてくる。

今までのいい思い出は忘れないでおこう。

辛くなった時に負けないように

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「隣に越してきた橋本蓮華と申します。よろしくお願いします。あの、これつまらないものですがどうぞ。」

「まあ、まあご丁寧に!あ、藤本と言います。こちらこそよろしくね。」

「m(*_ _)m」

「もしかして、あなた妊婦さん?間違ってたらごめんなさいねぇ」

「いえ、6ヶ月に入ったところです。なんでわかったんですか?」

「私、元々産婦人科で働いててね。職業病かしら(笑)困ったことがあったらなんでも言ってね(*^^*)」

「はい。ありがとうございます」

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