第19話

じゅうごわ!
1,002
2020/02/04 09:32
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_いつから、こうなっちゃったんだっけ。
私がこんなに怪我をするようになったのは
我妻 善逸
我妻 善逸
ちょ、いつそんな怪我したの!?
はっ、はははは早く手当て!!
真っ先に気がついてくれたのはあの人だったのに
今はもう気づいてくれない
見てはくれない
このときはよく『は』を連続で言えたなって可笑しくってずっと笑ってたっけ。
そんな私とは反対に泣きそうな顔になってた善逸を見て、あぁ、心配してくれるんだなって嬉しかったなぁ。
いつからだっけ
いつも私に向けられていた笑顔が
あの子に向けられるようになったのは
我妻 善逸
我妻 善逸
ほんっと陽愛ちゃん可愛いなぁぁ~
笹木 陽愛
笹木 陽愛
そんなに褒めても何も出ないよ
我妻 善逸
我妻 善逸
もの欲しさに言ってるんじゃないの!
私は照れ隠しでいつもそっぽ向いてたっけ。
そんな私の事を善逸はちゃんと分かってくれていて、どれだけ冷たくしようが、こんな私の傍にずっと一緒に居てくれた。
我妻 善逸
我妻 善逸
やっだもう美和ちゃん可愛い!!
立花 美和
立花 美和
善逸さん、恥ずかしいよぉ
我妻 善逸
我妻 善逸
恥ずかしがってる美和ちゃんも可愛いよ!!?
でもそうなったのはきっと、自分自身の努力が足りなかったのと
あの子の方が私より魅力があったという事実
我妻 善逸
我妻 善逸
今度、甘味処に行こうよ陽愛ちゃん!
新しく出来たみたいだよ
それ、善逸と美和ちゃん、2人で行った所でしょ?
...なんて、嫉妬心が大きく膨らんで
それでも私に笑いかけてくれるこの人を諦めるなんて事、私には出来なかった。
好きだって気持ちが大きかったのと
まだ私に笑いかけてくれるこの人に、期待してしまったから。
我妻 善逸
我妻 善逸
炭治郎と伊之助も誘って、
美和ちゃんも一緒に、全員で!
絶望の底に突き落とされた気分だった。
立花 美和
立花 美和
あんた、要らないんじゃない?
美和ちゃんに言われた言葉
笹木 陽愛
笹木 陽愛
...はは、確かにそうかも
自分で認めてしまうくらい
2人の仲には
全く、全然、私なんかが入って行けるような隙間はなかった。
立花 美和
立花 美和
このグループから抜けた方がいいと思うよ
善逸さんと私の邪魔しないで
...あ、そうか。
そうだったんだ。
私が邪魔してたんだ、2人のこと
邪魔してたのは、私だったんだ。
気づかなかった。
それが善逸の望みなら、
幸せだったなら、
私は___

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