第6話

ごわ!
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2020/02/04 09:36
笹木 陽愛
笹木 陽愛
ごめん、炭治郎。
今から行ける?散歩...
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
...あぁ、いいぞ
優しい炭治郎に救われている。
私の勝手な都合にも合わせてくれる。
感謝してもしきれないほど。
部屋を出ていくとき振り返ると、善逸の腰に手を回す美和ちゃんがこっちを見ていて、
善逸と目が合った気がした。
...
やっぱりこの胸の痛みには慣れない。
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
...とても、嫌な匂いだ
炭治郎が呟いた。
笹木 陽愛
笹木 陽愛
何が?
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
陽愛からも、美和からも、すごく嫌な匂いがするんだ
笹木 陽愛
笹木 陽愛
え、どんな!?
自分の体臭そんなに酷いのか、と腕の周りの匂いを嗅いでみる。
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
違う違う、そういう意味じゃなくて。
なんていうか...陽愛からはとても悲しい匂いというか、そんな匂いがするんだ。
笹木 陽愛
笹木 陽愛
...私から?
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
最近はそれが酷い。だんだん濃くなってきている
そっか、鼻の効く炭治郎にはそんな事までわかってしまうのか。
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
嘘を付いても俺たちには分かるんだよ。
善逸だって聞こえているはずだ。
.....聞こえているなら、どうして?
笹木 陽愛
笹木 陽愛
私はもう...無理かもしれない
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
......陽愛...
立ち止まって俯けば、炭治郎も立ち止まる。
笹木 陽愛
笹木 陽愛
...ふふ、なんちゃって、大丈夫だよ私は。
強靭なメンタルの持ち主だから。
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
...、
どうせ今みたいに笑顔を作ってみても、炭治郎にはわかってるんだろうな。
その上でこうしてるの。
竈門 炭治郎
竈門 炭治郎
....俺だってもう、見たくない...
笹木 陽愛
笹木 陽愛
....みんなが待ってるよ、行こう
優しいその言葉に応えないで、炭治郎の手を引っ張ってみんなの元へと向かった。
...私だって、見たくないよ。

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