第31話

にじゅうなな!
1,034
2020/02/04 09:29
陽愛ちゃんと会うことが無くなって
しばらく経った日のことだった
あちらこちらで陽愛ちゃんの悪口を聞くようになった。
どうして俺たちの問題なのに
他人があーだこーだ言うのだろう
陽愛ちゃんの事知らないくせに
そんな奴らに悪く言われるのが耐えられなかった。
例え俺の事が好きじゃなくて、遊びだったとしても、俺は大好きだった。それは今も、ずっと。
任務も終わって、蝶屋敷をぶらぶら散歩しえいたとき
笹木 陽愛
笹木 陽愛
...ッ
鬼殺隊員
...もたもたしてんじゃねぇ、さっさと来いよ
鬼殺隊員
先輩の言うことは聞けよ?後輩ちゃん
陽愛ちゃんが3人の男に囲まれていた。
言いたい事はいっぱいあったけど、
今は陽愛ちゃんを助けるのが優先だ。
__何してるんだよ、そんなに強く掴むなよ
__陽愛ちゃんに触るな。
__痛がってるだろ。
相手は見るからに先輩でちょっと怖かったけど
そんなの今はどうでもいい
頭の中は陽愛ちゃんでいっぱいだった。
陽愛ちゃんの細くて今にも折れそうな手首を、
ギリギリと強い力で掴んでいる男の手を振り払った。
男たちはどうやら俺の為に囲んでいたらしい。
お節介、余計なお世話だ。
苛立った俺は、戸惑う陽愛ちゃんを連れ出し男達の元から離れた。
我妻 善逸
我妻 善逸
...ねぇ、
我妻 善逸
我妻 善逸
.......あの時美和ちゃんが言ってたのって、本当はどうなの?
肩をビクつかせた陽愛ちゃんに問いかける。
美和ちゃんからじゃなくて、陽愛ちゃんの口から真実を聞きたい。
笹木 陽愛
笹木 陽愛
あの話は本当じゃないよ。
真っ直ぐな目で俺のことを見つめる。
この真っ直ぐな目も、俺の大好きな目だ。
我妻 善逸
我妻 善逸
...じゃあ、美和ちゃんが嘘をついたって事?
笹木 陽愛
笹木 陽愛
...うん。私はそんな事しない
少し口角を上げた陽愛ちゃんにまたドキドキする
鬼殺隊員
あ、陽愛ちゃんいたいた
笹木 陽愛
笹木 陽愛
......え?
鬼殺隊員
もう、いい所だったのに抜け出して。
どこ行ってたの?探したんだよ
また、ドクンッと大きくなった陽愛ちゃんの心音
我妻 善逸
我妻 善逸
......何、だよ、それ......
もう何も、考えられなくなった
というか、何も考えたくない
陽愛ちゃんから聞かされる言葉が怖くなって
俺はその場から逃げ出した。

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